死が2人を別つまで
結婚して、はや半年、共に住み始めてから、1年がすぎた。
年々、時間の経過が早く感じるけれど、生活が1人じゃなくなってから、余計にそう感じるようになった。
緊急事態宣言下ではあるけれど、挙式をすることになっていて、紙面上でしか「入籍した」という事実がなかったのだけど、(指輪があるからそれもあるけれど)残るものがあると思う。
わたしは元々『結婚式』はあまりやりたくなくて、結婚する前から、結婚指輪はいらない、結婚式はしたくない、と、無茶苦茶なことを言っていた。
(それには色々個人的な理由があるのだけど。)
前の記事には書いたのだけれど、結婚指輪は彼が揃えようと言ってくれて、結局わたしが欲しいブランドのものにしてもらった。
(時間がかかるものだとは2人とも知らなくて、入籍した日に購入しに行ったら、1ヶ月かかると言われて、待つことになるのだけれど…。)
お義父さんの希望ではあったのだけど、わたしが「やりたくない」と言っていた、結婚式は行うことになった。
☕️☕️☕️
バタバタと打ち合わせをして、準備をして、(この時は決断力のあるわたしにあっぱれだったのだけど、ドレスを決めるスピードが早くて、衣装を担当してくれたお姉さんが驚いていた。)あっという間に式当日を迎えた。
自分自身のことで感極まって涙するって、これまでそうなかったかなと思うのだけど、バーンと開いて、見慣れた顔を一望すると祖母が涙していて、思わずグッと来てしまった。
妹に頼んでいたベールダウンは、グッと来たものが抑えきれずに涙ぐんでしまう。
背の小さい父とともに歩いたバージンロードは、もしかしたら父と初めて腕を組んだタイミングだったかもしれない。
うまく歩くことのできないその道は、これまでの人生で苦しかったこととか、来れなかった母のこと、いろんなことが今までに感じたことのないものとして込み上げてきて、自然と涙が止まらなかった。
待っていた夫はギョッとして、まさかわたしが泣くとは思っていなかった様子でなんだか可笑しかった。
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
夫として愛し、敬い、
死が2人を別つまで、
慈しむ事を誓いますか?
ー はい、誓います。
互いの誓いの言葉は、思っていた以上に今も心に残っていて、たまに、2人で死が2人を別つまで、だもんね、なんて話をすることもある。
正直、信仰とかはあまりわからないのだけど、あの場で、神父さんの前で、ああやって誓いの言葉を交わしたことはすごくよかったなと思う。
ずっとやりたくないと言っていた結婚式も、今となっては本当にやってよかったと思うし、親族だけの小さな式だったけれど、人生のうちであんなに自分が主人公になることってないなと思った。
結婚式の後すぐにバタバタと忙しくなるのだけど、それはまたの機会に。
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