降圧スイッチングレギュレータ 連続モードと不連続モードの境界条件
本記事では降圧スイッチングレギュレータの連続モードと不連続モードの境界条件について解説します。
降圧スイッチングレギュレータの基本動作についてはこの記事で解説しておりますので、良かったら見てみてください。
連続モードと不連続モードとは
ざっくり言うと、一定の周期でスイッチのON/OFFが行われているのを連続モード動作。スイッチング波形が歯抜けになっている状態が不連続モード動作となります。
実際に見たほうがわかりやすいと思いますので、シミュレーション波形を示します。まず連続モード動作のシミュレーション波形です。
I(L1):コイル電流
V(sw):スイッチング波形
次に不連続モードの動作波形を示します。
綺麗にスイッチング波形が出ている状態が連続モード動作、スイッチング波形が乱れたようになっているのが、不連続モード動作となります。
なぜ、不連続モードになるのか?
ではなぜ不連続モードになるのでしょうか。それはスイッチング波形と一緒にコイル電流波形を見ましょう。先程の波形です。
これを見るとわかるとおり、コイル電流に注目すると電流値が0Aになったタイミングをさかいにスイッチング波形が乱れ始め、コイル電流が流れ出すと綺麗なスイッチング波形になっています。コイル電流が0Aになるタイミングが不連続モードになるタイミングなのです。なぜこのようになるかというと、詳細を語ると難しくなるのでイメージで伝えると、コイルは流す電流がなくなると、スイッチングしていた箇所の電位は出力電圧と同じ電位になろうとします。しかしコイルは天邪鬼で電流が流れようとすると嫌がり、流れなくなろうと嫌がり、結果びよーーーんとなるからです。(イメージって難しいですね。)
要するに言いたいことはコイル電流が0Aになるタイミングが不連続モードになるタイミングということです。
不連続モードのなる境界条件
不連続モードと連続モードの境界はちょうどコイル電流が0Aになるタイミングです。これは絵で見るとわかりやすいです。
上図の真ん中の状態が連続モードと不連続モードの境界の状態となります。
つまり、コイル電流の下限値が0Aになる場合に不連続モードとなります。
もう少し詳細を描くと
出力電流はコイル電流の中間地点なので、出力電流から1/2ΔIL下がったところで不連続モードの境界の0Aとなります。つまり、ギリギリ連続モードでは
Io - 1/2×ΔIL = 0
となります。これが連続モードと不連続モードの境界条件となります。
この記事が理解の一助となれば、幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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