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どうしたらヴァイオレット・エヴァーガーデンで泣けるのか?

私はあまり泣くことがない。
そのため泣きたいと思って泣けるアニメを度々検索する。
泣けないのは、恐らく幼少期に親から泣くのはみっともないと言われたからだろう。
泣くのはみっともないことだろうか?大人になった今はそうは思わない。感情を素直に出せるのは素敵なことである。

ストレスが溜まると泣きたくなるのである。私にとって涙はストレス発散に大切なもの。また、その感情を起点にして板の上で泣くことができる。

だから評判のよいヴァイオレット・エヴァーガーデンを見て休日に泣こうと思ったのである。
最初はTVでリアタイした。あの京アニだ…美しい映像とエピソードで泣かせてくれるはず。現に、AIRは何度も見て泣いている。私の夏の風物詩だ。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは映像がとにかく美しい。水の映像はさすが京アニだ。だがいまいち心に響かないのである。演者の演技は良い。ストーリーも不備はない。だが泣けない。

つまるところ、私の感情の引き出しに共感する要素がなかったのだと思っている。AIRの母子の愛、家族愛はとても強固なものだった。それと比較するとヴァイオレットはぼんやりした印象なのだ。こんなことを書いたらファンを敵に回しそうだ。子供に毎年手紙が届くというストーリーは良かったが既視感があるのだ。

知識を取り入れるために死ぬほど本を読まなければいけないという強迫観念に駆られて、学校でも図書館でも本を読みすぎたのだろうか。今まで沢山の本が出版されて内容が似ないということは難しいと思う。

そう思うと古典は斬新なのである。泉鏡花に似た作品は見たことがないし、寺山修司の勧めていたマルシア・ガルケスの百年の孤独も図書館で読んだきりだったが手に入るようになった。
改めて、今一番泣けるのは古典なのかもしれない。例えベタと言われようとも隠れた名作はいくらでも眠っている。私はアニメも好きだが、これをきっかけに新たな古典を開拓したいと思った。そう思うときっかけをくれたヴァイオレット・エヴァーガーデンをもう一度見直してみたいと思う夜である。


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