イラストメイキング
メイキング記事書きたくなったから書きま~す!
今回の絵
第五人格のバッツマンくん(衣装:『不時着のプロ』)の絵です。
描いてて楽しかったので、残ってたレイヤーから復元してメイキングを書きました!! よろしく!!
描くぞ
0 今回使ったペン
クリスタで自作したペンです。かつて存在したお絵描きサイト、drawrの書き味をいくらか再現したお気に入りのやつです!
筆圧で太さも濃度も変わりません。ストロークを離さない限り、同じ濃度で塗りつぶせます。そこがdrawrっぽい! しかもdrawrと違って透明度を50%以外にできる! (ツール設定の「インク」の濃度をいじるだけです)
1 下書き
12%の濃度のペンで構図を決めるためにゴチョゴチョ描きます。
今回の絵でやりたかったことは、「この衣装かわいいから描くぞ」「でもやっぱ顔が詳しく描きたいよね」のふたつだったので、両立させるためにバリバリの俯瞰構図に挑戦しました。全身が入るし顔も描ける! そんで、冒険の最中みたいなポーズ……大きく脚を開いて立って、遠くを振り返って見ている……にしました。俯瞰の構図は立体感が行方不明になりがちなので、ゴーグルのとこに手を持ってきて、遠近がわかりやすくしました。左手や足先も画面に入るようにします。背景は、じゃあ宇宙っしょ! 舞台造形の! 衣装コンセプトの!
この段階では人体の整合性とかはあんま考えてないです(最後まで考えてないです)。
2 線画
下書きの表示を薄くして、新しいレイヤーを作って、50%のペンで線画を描きます。下書きで決めていた形をわりと無視していますね。左脚とか。
そして、今回はこのあとゴリゴリに厚塗り加筆する予定なので、線画はわりと雑です。目安としては、パーツの形がある程度取れてればヨシとしています。
3 下塗り
人物の形に塗りつぶしたレイヤーを作ります。
色は、今回の絵で影にしたい色、もしくは光にしたい色のどっちかにします(今回は影)。
塗りのレイヤーを不透明保護設定にして、50%~80%くらいの濃度で色を塗りたくります。
物体の色100%をそのまま塗るのではなく、50%の濃度で連打して、スポイトで混ざった色を取ってまた連打します!
こうするとですね……なんか……全体としてあんまり色がごちゃつかなく……なると思っています。下地にしている影の色が共通ですからね。そりゃね。
ただ、上の図でいうマスカットみたいに、さすがに影の色が濁って変だな……みたいになったら塗り直します。
色をごっそり入れ替えたいときは、濃度100%で思いっきり塗りつぶしたほうが綺麗です! 変に50%で連打すると濁る一方です。
あと、今回は線画を黒色で書きましたが、影色に近い有彩色にしたり、思いっきり明るい色の部分を作ったりしても、このあと楽しいです。
合成モードを「覆い焼き(発光)」にしたレイヤーを新しく作って、ミントグリーンで明るいところを塗りました。グリーンの光を当てたみたいに光ります! 足元の月が光ってるだろうということで、逆光ぎみ。
それと、ぼちぼち背景の色とも調和させていかないといけないので、背景の色を考え始めました。足をつけてる月っぽい天体を光と同じグリーンにして、空は影と同じような濃紺にしておきましょう。
これで色がだいたい決まったので、人物の線画と色のレイヤーを結合します。
ただ、線画と下塗りを不可逆に失うのも後で困りそうなので、コピーは取っておきました。加筆するうちにラフのときの雰囲気を忘れてしまったら、見て思い出します。
後でメイキング記事を書きたくなったときにも重宝します。
4 ド加筆
心ゆくまで上から形を整えます!
50%~70%くらいのペンでスポイトして連打してスポイトして連打して、なんかいい感じにします! 色味が単調で物足りないな~ってときは、絵の中の別の部分からスポイトして薄めに重ねます。
一番描きたい部分を細いペンでめちゃめちゃ細かく描いて、わりとどうでもいい部分をデカめのペンで雑に描くのがポイントです。目のピントが合ってないような気持ちになって、強制的に視線がズレます。(本当に?)
そして加筆を3時間くらいしたのがこちらです!
顔と胸元をまずゴリゴリに細かく描いて、ほかの部分は適当です! 脚や左腕なんかは、けっこう筆致が荒いですね。わざと!
とにかく時間を忘れてルンルンで描きます。ここが一番楽しい。動画でも見ながら休日にやりましょう!!
描いてて改めて思いましたが、元のデザインのフォルムや色合いのバランスがうまいですねホントにね。マジで可愛いね。銀のスーツにデカいゴーグルに赤のバンダナの差し色にスラッと長い足に生活感あるバールとかの小物、最高だね。(衣装は持ってない)
5 背景
足元の月に陰影を書き込んで、後ろの空もなんかカラフルにしました。
空の模様はこれまでと同じペンで適当に水色やピンク色を追加してワチャワチャしたんですが、その場合どんどん色が混ざって濁りまくるので、塗り終わった後に色調補正で彩度をMAXにしました。
たぶん塗る段階でペンの合成モードを通常じゃなくてスクリーンとか覆い焼きとかにしたら、その手間は無くなるような気もします(勉強中です)。
背景右側になんか天体をふたつ追加。
しかし、野放図に色を決めたので、このままだと背景天体が変に目立っているように感じます。オレンジやピンクなどを足したので色が多いうえ、人物で使った色と合ってないせいです。なんとかします。
背景の空と天体だけに反映されるように、グラデーションマップレイヤーを追加しました。
クリスタで購入したグラデマップセット、「天国グラデ」に入っていたグラデーションマップをベースに、一番暗い青と明るい緑の色を人物に使ったのと同じ色に変更したやつです。
このグラデーションマップ色調補正レイヤーを乗せることで、メチャクチャな色で塗ったあとでも全体がまとまります! 今回は透明度20%くらいで適用しました。もっと濃くすればもっと色味が減ります。
あと、背景の物体に書き込みが多すぎると視線が無駄に持っていかれるので、階調化レイヤーを追加して情報を減らしました。
背景、薄く重ねたペンのタッチが階調化で減ってますね。オレンジ色の部分で顕著かと思います。階調化好き。しょっちゅう使う。
星空を追加。
6 仕上げ
パッと見てあまりわからないのですが、オーバーレイのレイヤーをひとつ作って、人物と月にかけました。
ここはdrawrみたいなペンではなく、クリスタデフォルトのエアブラシを使っています。
顔の周りを血色良く、かつ明るくしたいのでオレンジを、右足は顔や胸に比べて画面の奥(月に近いところ)にあるのがわかりやすいように光の水色を、人物の下側である左腕あたりは影の濃紺を、エアブラシでめっちゃ薄く入れてあります。
足元の月も光るように明るい緑で覆い焼き(発光)レイヤーを重ねました。
比べるとけっこう違う。
人物の上のほうに明るい色、下の方に暗い色をうっすらオーバーレイでかける仕上げをよくやります。気が付かないくらい薄いグラデーションでも、画面が豪華になるし、顔まわりに視線が集まりやすくて良いですね。
7 最後の仕上げ
パッと見てマジで全然わからない最後の仕上げをしますわ!
加筆も仕上げも全部自分の気が済むまでやったな、と思ったら、「表示レイヤーのコピーを結合」をします!(表示レイヤーのコピーが結合されます)
それにクリスタのフィルタで「シャープ(強)」をかけます。
シャープ(強)なだけあって、めちゃめちゃ強く線が浮き彫りにされるんですが、このレイヤーを透明度10%くらいにして、合成モードをオーバーレイにします。
何が変わったのか全然わからん。
本ッ当にド拡大して見なければ(拡大して見ても)違いがほぼわかんないくらいの差なので、この最後の仕上げにほとんど意味はないかもしれないんですが、全体的に若干だけ鮮やかになって、線もくっきりするので、たびたび使っています。
もっと明確にくっきりさせたかったら、シャープ加工したレイヤーの透明度をもっと上げるといいでしょう。毎回「まあ上げすぎるとケバケバしくなっちゃうから……ほんのり気配だけするくらいの……こんなもんかな……」と、感覚で透明度を決めています。
あと、背景や四隅など、ぼかしたままにしたい部分があれば、レイヤーマスクで消します。(今回はやってません)
完成
完成だ!
イェ~~~~! 楽し~~~~! この厚塗りっぽいdrawr流の描き方楽し~~~~~~!
ただ、完成までにかかる時間がけっこう長いし、その時間の見通しも付けにくいし、あんまりデカい解像度でやると加筆の量が大変だから向かないし、と、デメリットもいっぱいあるので……ほんとにdrawrで描いてた時みたいな気持ちで描くようなスタイルですね。ストレスが飛びます!
そしてやっぱり、バッツマンのこの衣装は可愛い!🥳
メイキング記事は以上です。読んでいただき、ありがとうございました!
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