発音しない「e」の話 日本の学校が教えない英会話術⑬
久しぶりに英語発音の話です。
さて、英語を長いこと勉強しているとわりと皆気づいている話だと思うんですが、英単語の語尾の「e」って、基本的に発音しないですよね。
like, cake, date, fake, cute, delete....
そうなんです。
英語ネイティブは語尾の「e」を無視するんです。
昔、松坂大輔がメジャーリーグに行ったときに
Daisuke(ダイスケ)というのが現地で発音できなくて
できるだけ本来の発音に近いように、Dice-K(ダイス・ケイ)なんてあだ名がつけられたぐらいです。
この「e」。
発音しないなら、なんのためについてるねん、いらんやろ。
と言いたいところなんですが
実は意味があるんですよね。
これは「子音を1個はさんだ手前の母音が長母音になりまっせ!」という目印です。
逆に、この「e」がないと手前の母音は基本的に短母音になります。
例えば、「sit」という単語の「i」は、短母音で発音しますので、片仮名で書くと「スェト」みたいな発音です。
一方で、「site」は、最後に「e」がついているので、手前の「i」は長母音になり、「サイト」と発音します。
知っとるわいと。
日本人は高校を卒業するまで、長いこと英語の勉強をしているので、さすがにこれぐらいのことはだいたいの人が知っていますよね。
でもこれは結構重要なポイントで、語尾に「ing」がつくときに影響してきます。
「ing」は語尾の「e」と似たような役割があり、やはり子音を1個はさんだ手前の母音が長母音になるというルールが適応されます。
例えば、「sit」にそのまま「ing」をつけると「siting」になっちゃいます。
そうすると、ルール上は「サイティン」と発音することになってしまうんです。
だから、「t」を重ねるんです。
「sit」に「ing」をつけるときは、「t」を重ねて「sitting」と習うでしょう?
これは、「子音を1個はさんだ手前の母音」という条件をキャンセルするためにつけているんですよ。
このおかげで「sitting」は「スェティン」という風に、元の発音を維持したまま「ing形」にできるんです。
逆に、「delete」みたいな「e」で終わる動詞は、「ing」をつけるときには語尾の「e」が要らなくなるので省いて「deleting」となるのです。
「ing」をつけるときのルール自体は中学英語で習うので知っていることでしょうが、なんでそんなルールになっているのか、というお話でした。
ついでに、発音しない「e」は子音を挟まずに前の母音とくっついて登場するパターンもあります。
役割は同じで、前の母音が長母音化します。
この場合は語尾じゃなくても同じルールです。
いくつか例をあげると、see, fee, die, lie, due, teen, meet, feel...などがありますね。
いずれも後ろの「e」は発音せず、手前の母音が長母音になっています。
これらの母音が連続するパターンでは子音を1個挟む場合と違って、後ろに「ing」がついても「e」は省かないという特徴があります。
ちなみに、このルールが適応されるのは手前の母音にストレスが乗るときだけで、ストレスが乗らない場合は無視されます。
例えば「engine」という単語は、頭にストレスがのって「エンジン」って発音しますね。
「エンジャイン」なんて発音しません。
こういう、イマイチ一貫しないルールが英語のややこしいところです。
「listen」や「visit」に「ing」がつくときも、いちいち子音を重ねる必要はありません。
どちらも頭にストレスが乗っているので、「listening」で「リェスニン」、「visiting」で「ヴィズィティン」と発音します。
だからまあ、「手前の母音にストレスが乗らない」場合は例外として無視してください。
以上です。
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