幻想を映す、夏の終わりに。

アナログなテクスチャーとデジタルの逢瀬、めまぐるしく変わる視点、死んでいるモノが息を吹き返す魔法、音と画のシンクロ、非道くグロテスクな悪い夢、曖昧に溶け出す現実と絵空事、無数の物語が生成され同じレイヤー配置される無常と崩壊する非日常、どこか安心できる狂気のゆりかご。

私たちが知るのは、あらゆる限界を越えてきたアニメーションの「現在」。不死身のタフなあいつは、うかうかしてる間にアップデートされ続けていたのだった!うれしくなって踊りだしたくなるじゃないか。

さて、ここに差し出された「アニメーション」とは、何だったのだろう。ふと、思う。考えあぐねたのち、ああ、そうか!と、膝を打つ。「アニメーション」とは、あらゆる表現の尖鋭が交錯するプラットホームなのだと、一人ごちた。

音が、画が、物語が、未来に向かおうと前を見つめている。ノスタルジーに捉われて、見慣れた風景ばかりを追うのは、安全だけどつまらないもの。積み立てられた過去の功績を決して無駄にはしないで。羅針盤と地図と軍資金にかたちを変えて、共に遠くを目指そう。誰がこの道の先はないなんて嘘をついた? あいつはいつだって、ここではない何処かへ私たちを連れ出そうと狙っているのだから。(吉田アミ)


『アニメーションズフェスティバル』用に書いた原稿です。http://www.animations-cc.net/festival_encore.html

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