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最後のとき



子育てには必ず

「最後のとき」が

やってくる。





この詩を読むたびに

今の当たり前の日常が

当たり前の日常ではなく


当たり前の日々が

当たり前の日々ではなく

当たり前の瞬間が

当たり前の瞬間ではなく


「最後のとき」が必ず訪れ

すべてが宝物の時間になるんだと

いうことに気づかされます。🌷



『最後のとき(The last time)』

赤ちゃんをその腕に抱いた瞬間から

あなたはこれまでとは

全く違う人生を生きる


以前の自分に戻りたいと

思うかもしれない



自由と時間があって

心配することなど何もなかった

あの頃の自分に



今まで経験したことがない徒労感 

毎日毎日まったく同じ日々

ミルクを与えて

背中をさすってやり

おむつを替えては泣かれて

ぐずられて嫌がられて

昼寝をしすぎてもしなくても心配で

終わることのない

永遠の繰り返しに

思えるかもしれない




だけど忘れないで……

すべてのことには

「最後のとき」があるということを

ご飯を食べさせてやるのは

これが最後というときがやってくる


長い一日のあと子どもが

あなたの膝で寝てしまう

だけど眠っている子どもを

抱くのはこれが最後

子どもを抱っこ紐で抱えて出かける

だけど抱っこ紐を使うのはこれが最後

夜はお風呂で髪を洗ってやる

だけど明日からは

もう一人でできると言われる


道を渡るときには手を握ってくる

だけど手をつなぐのはこれが最後



夜中こっそり寝室にやってきて

ベッドにもぐりこんでくる

だけどそんなふうに

起こされるのはこれが最後

昼下がりに歌いながら手遊びをする

だけどその歌を歌ってやるのは

これが最後


学校まで送っていけば

行ってきますのキスをしてくる

だけど次の日からは

一人でだいじょうぶと言われる


寝る前に本を読み聞かせて

汚れた顔をふいてやるのもこれが最後


子どもが両手を広げて

あなたの胸の中に

飛び込んでくるのもこれが最後



だけど

「これが最後」ということは

あなたには分からない

それがもう

二度と起こらないのだと

気付くころには

すでに時は流れてしまっている


だから

今あなたの人生のこの瞬間にも

たくさんの「最後」があることを

忘れないでもう二度とないのだと

気づいてはじめて


あと一日でいいから

あと一度きりでいいから

と切望するような

大切な「最後のとき」が

あることを


(作者不詳)



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