見出し画像

翔猿の強さを勝手に解説するnote

2020年11月場所9日目。結びの一番は大関・貴景勝vs前頭4枚目・翔猿。

この一番を勝利した翔猿。私も思わずテレビの前で声を出し、拍手してしまった。勝利した事もそうだが、この相撲は翔猿の本当に会心の一番だったと思う。その勢いで翔猿の強さについて解説したくなったので、今noteを書いている。


翔猿の強さとは何だろう。身体は幕内力士の中では大きくない。むしろ小兵力士の分類だろう。(とはいっても175cm/130kgある)

この力士の強さは、「やりにくさ」に集約されている

「やりにくさ」にも様々あるが、その中でも特に「相手に力を出させない」能力がずば抜けて高い。具体的に言うと、相手が押そうと思ったら引く、引こうと思ったら押す。このタイミングが絶妙なのだ。だから相手は迂闊に攻められない。でも待っていると、手を出して相手の顔を起こし、足を出して前に出てくる。この力士は前への推進力もある。相手はそれに耐えかねて前に出る、そこをはたき落とす。

まさに今日の一戦である。私はこのパターンを何度も見てきた。中高はライバルとして、大学時代はチームメイとして、そして今は一翔猿ファンとして何度も見た光景である。

と、まあ文字にして説明すると「ふーん、なんだそんな事か」と思う人もいるだろうが、この「相手に力を出させない」事は本当に難しくて、高等テクニックなのだ。幕内力士といえど簡単に真似できるとは思えない。先場所、元横綱稀勢の里の荒磯親方も翔猿の「あれ」はとてつもない技術だと言っていた。相撲を極めた元横綱が見てそう思うのだから、シンプルに凄い!

そしてそれを可能にしているのが天性の運動神経。翔猿は運動神経がとてもいい。これは本人も自覚しているところだろう。そして今は130kgある翔猿だが、学生時代は100kgそこそこしかなかった。これは学生相撲の世界でも小さい方だったが、それでも大きな相手と渡り合い、このスタイルを磨いてきた。そして運動神経をキープしつつ、体重が増しよりパワーが加わった。更にこれは個人的に思うのだが、翔猿は廻しを取っての攻めも上手くなったと思う。(これは学生時代にはあまりなかった)その結果が先場所の大活躍であり、今日の勝利だったと言えるだろう。

今場所は現時点(9日目で3勝6敗)で黒星が先行している翔猿だが、この勝利をきっかけに今場所の残り、そしてまた来年以降と活躍してくれるのを期待したい。

終わり

(これは完全に余談だが、彼のいい意味でいたずらっ子な、茶目っ気溢れる性格もあの相撲内容に表れていると個人的には感じる)

皆様のサポートは、今後の相撲活動に当てさせていただきます!