2月10日 コンピューターがチェス名人を倒した(みたいな)日


報道


ガルリ・カスパロフは史上最強の人間チェスプレーヤー、いわば

“人類の代表”

として選ばれ、

チェス専用スパコン“ディープ・ソート”

に勝ち、

“ディープ・ブルー”

に敗れた。
正しくは

ディープ・ソートに2度勝ち、

ディープ・ブルーには1勝1敗

みたいな。
でも報道はこうだった。

「人類の頭脳は最強のコンピュータに勝利した」
(1996年。3勝1敗2引き分け)

「コンピュータが世界王者のカスパロフに勝利した」
(1997年。1勝2敗3引き分け。しかも僅差!)


カスパロフは再戦を望んだけど、IBM側はプロジェクトを終了させ、結局再戦はなかったという。←勝ち逃げじゃん。

1996年、1997年、両年の戦績はほぼ互角といえると思う。
でも報道は、


「コンピュータがチェスの世界王者に勝利した」


だった。
その方が面白いから。
ガルリは絶対悔しかったと思う。



2月10日 コンピューターがチェス名人を倒した(みたいな)日


1997年。
相手はIBMのコンピュータ。
名は“ディープ・ブルー”。
敗れたチェス・チャンピオンはガルリ・カスパロフ。
“ディープ・ブルー”はチェス専用のスパコンであり、 カーネギーメロン大学の研究室で生まれたチェス専用スパコン、“ディープ・ソート”を引き継ぐ存在。
つまりブル一は、“ディープ・ソートを倒したガルリを倒すための存在”だったのです。

ではガルリとは何者か?

ガルリ・キーモヴィチ・カスパロフは1963年生まれ。
アゼルバイジャン出身の元チェス選手。
15年もの間世界チャンピオンのタイトルを保持し続けた人物だそうだ。
1948年にFIDE(国際チェス連盟)による選手権制度が始まってからでは最長記録なんだって。
そしてその後、政治家。
反プーチンの急先鋒だったらしい。←まじスゴ。今はどうされてるんだろう。


それでも地球は回っている