片恋〔sakiuenoさんに捧げる一作〕
由梨が走る。
僕も走る。
由梨は笑う。
僕といると由梨は幸せ。
僕は由梨の父さんみたいに、由梨に手を上げたりしないし、由梨の母さんみたいに、勉強勉強、塾塾って追い立てたりしないからだ。
でも母さんは、僕と由梨を不釣り合いだという。
二年もつきあってるのに。
由梨も間違いなく僕を好きなのに。
僕はもう大人だ。
由梨を求めてもいいはずだ。
意を決して迫ったら、由梨は笑って、くすぐったがった。
やあだったらロン。
制服めちゃめちゃになっちゃう。
いつまでもこどもなんだから。
もう、だめ、ステイ!
僕は由梨にふさわしくないんだろうか。
神様。
僕にはよくわかりません。
それでも地球は回っている