恋文〔光彩子さんに捧げる一作〕

突然こんな手紙を差し上げる無礼をお許しください。
あなたを一目見たときから、私はあなたの虜となってしまいました。
涼やかな目許、ちょっと冷たい感じの笑み、脳髄には知性、四肢には卓越した運動神経、あなたはまさに私の理想です。
もしあなたと交際出来るなら、この上ない幸せですが、それは分不相応な願いです。
私はあなたを見ていられるだけでいい。
とても幸せなことです。

きょうもあなたに会えました。
私は本物の幸せ者です。
思えばあなたが幼児体形の頃から、私はあなたを見ていた。
あなた以上にかわいい幼児はいなかった。
覚えていますか?
幼稚園時代。
関島はやとが押したために、あなたは滑り台から落ちた。
顎にまだ、傷跡がありますね。
ただでさえ美しいあなたの顔に、一生残る傷をつけた男。
許し難いです。

見ましたか。
N新聞社会面。
ちょっと押したら関島は、線路と電車の間に消えました。
いい気味です。
あとは北条沙世でしょうか。
あなたと交際したいと、二年半もつきまとった。
ナナカマドの森に埋めておきました。
私が一生あなたを守ります。
あなたは何も恐れることはないのだ。

私のメッセージがあなたのスマホから出てることに気づいたのですね。
何がそんなに怖いのです。
私は最初からあなたの中にいた。
私たちは最初から一つでした。
同性なのは私たちの罪ではない。
あなたは最初から私のものだ。
拒もうと何をしようと。
こら。
拒むな。
拒むなら、私は。





殺すぞ。


それでも地球は回っている