ただのソックスじゃないんだよ〔読み物100〕
英里子の脚はこれでもか!っていうくらい美しい。
すらり。
すっきり。
形もいい。
SSKだ。
SSKだけどー。
(自分で言うな)
冷えるのよ。
(さもありなん)
すらっとした脚には、温度を保つ肉がないからな。
脂肪はカラダを冷やすんだよ。
ああ外野。
外野は常に喧しい。
啓一郎がね。
ソックスくれた。
あったかいよって。
遠赤かな。
カプサイシンかな。
ちがうそれ・・・
電池式だ。
しかも・・・
英里子が感電死した。
遠赤にすればよかった!
啓一郎は泣きながら言ったけど、目、濡れてない。
必ず死ぬとは思ってなかったろうけど、あわよくば、だったよな、あのメーカー、事故多い。
で?
次は誰?
飽きたら殺すあなたの愛し方。
あたしには回ってこない愛。
殺してよお願い。
殺す価値もないなんて。
私には。
靴下をくれない。
それでも地球は回っている