最弱魔王〔pnatupnatupnatuのリクエストに応えてみた一作です〕
やっとたどり着いた魔宮殿の奥。
魔王はめっちゃかわいいひょろひょろだった。
すでに泣いていた。
そうです。
僕が魔王です。
でも百人魔王の98番で、めっちゃ弱いんです
めっちゃ弱い。
これでも武者修行はしたんですけど・・・
弱いんです。
だから、だから・・・
(だから?)
いじめないでください!
坊ちゃん刈りの髪。
涙に濡れた大きな青い目。
持っている剣を支えきれずに切っ先は下め。
全身、ぶるぶるぶるぶる震えている。
それでも戦わないとゲームが終わらない。
悪いな。
てやあああああっ!
剣を構えて振り下ろすと、弱魔王、とりあえず剣で受け止めた!
やるじゃん。
と余裕でいったん引いたところへ、弱魔王が剣を振りかぶり、やあっ!っとばかりに剣を振り下ろした。
二メートルも向こうで。
当たんねえよと口の端で嗤ったその瞬間、俺の体は袈裟懸けに、ざくっと左右に割れた・・・
ああ。
魔王だもんな
最弱でも・・・
やっぱ魔王・・・
それでも地球は回っている