ハンドル〔じゅんみは父君に捧げます。これも旧作ですみません。弱虫ペダル石垣君とアンカーの出会い編(二次創作)です〕

  お詫び 似非関西弁です。
      お許しください<(_ _)>

 十のとき、自転車買い換えてもろた。
 普通の子供用自転車三台乗りつぶし、“さよか”の自転車も壊してしもた。
 おとん怒って今度の壊したら次はないよ?
 やわらかい口調で言う時のおとんは怖い。
 経験済みや。
 僕はこくっと頷いた。

 総数千台。
 それが売りのハイパーウレセン自転車屋。
 それが『ハンドル』や。
 前のは三台とも近所の自転車屋やったから、大人んなった気分や。
 ズラリ並んだピカピカの、自転車の間走って探す。
 僕だけの一台。
 これからの僕支えてくれる相棒や…
 不意に足止まった。
 赤い。
 赤いんが、僕見とる。
 僕だけ見とる。

 買(こ)うて。
 あんたのもんにして。

 伝わってくる。
 バイブレーション。
 凄い、えらい!

 !!!!!!!!!


 おとんに泣いてねだった。
 これ欲しねんっ。
 これ以外何もいらんっ!
 何にもこだわらん方の僕やったから、おとん、めちゃめちゃ驚いて、店員とこ行った。
 カード何使える?
 ボーナスでもええ?
 赤いんが、きらりんと光った。

 これが出会いや。
 その晩人型で現れて、僕にキスして、あんた主人にしたるわて。
 そのまま八年経ってしもたわ。

それでも地球は回っている