58分の1〔【嘘大会参加作1 8】嘘じゃないんですけど就活がうまくいってます へのお礼作です〕

うまくいってますって言っちゃった。
嘘じゃないんですけどまで言っちゃった。
何で強がっちゃうんだろう私。
だって。
一人前に見てもらいたい。
ラジオ体操の帰りに道に迷って神社で泣いてたあたしを背負って帰ってくれた彦。
いつもいつも学年一位の秀才で、トップクラスの大学出て、地元一番の企業のナンバーワン社員な彼に、頼ったらどんな就職も叶うだろう。
でもそのコースに乗ったら、彦はあたしをこの先も、出来の悪い幼なじみとか、妹としか見てくれないに違いない。
だから…
エントリーシート書いて書いて書いて。
あたしは自分の価値を知る。
待っててとは言えない。
あたしからは言えない。
だからこそ、あたしは挑む。
あたしは誰?
たどり着ける?
あなたの横に、立てる?
トライはまだ、始まったばかりなのだ。


それでも地球は回っている