格闘王〔又吉マタキチさんへのpnatupnatupnatu賞お祝い作です。私とpnatuが書きました〕


1985年だったか、その以降だったか、漫画が先か、アニメが先だったか。
俺はドラゴンボールにハマった。
亀仙人がチャラいのはいやだったが、悟空の修行ぶりと成長には目を見張った。
ああなりたい!
その一心で修業してきた。
あらゆる武芸に挑んだ。
柔道、剣道、合気道、空手、ボクシング、レスリング、サファーデ、カポエラ、テコンドー、K1、それから・・・
地上最強の男と言われてさらに10年経ったが、何をやっても満たされなかった。
カメハメ波が、出ないからだ。
どんなに躰を傷めても、それは放つことができないのだ。
友人知人、その道の達人にも尋ねたが、意見は半々だった。

あれはマンガだ。むりだ。

と、

霊界まで習いに行くならあるいは・・・

俺は決心した。



又吉最近見ないな。

電話とかは?

ないない。

おいおい。
ホント霊界に修業に行っちまったんじゃあるまいな。

まさか。

会話は笑いで終わったが。
四日後格闘家は死体で見つかった。
死後二ヶ月経っていたという。
漫画やアニメなら、学んで戻っても来れる。
でも、現実では、戻る手段はない。
かれは果たしてどのくらい強くなったのだろうか。



   ↓pnatuも頑張りました↓



それでも地球は回っている