日陰

木々の間に間に陽光が波打つ。
猛暑はどこへやら。
ああ。
立木。
木立。
雨後の竹の子の如くにょきにょきと。
さわさわと。
伸びて伸びて満ち満ちて。


でも。


全世界が木漏れ陽の世界となった今、作物は一切育たない。
作物がない以上、人も獣も食らうものはない。
木々を、食らうか?
この高らかな巨木らを。



かつて海に逃れた動物たちがいつか、木々を食らいに上がってくるだろう。
その時、できたら弔ってほしい・・・我ら地上で暮らしていたものたちのことを。
できたらでいい。

それでも地球は回っている