虹があるただその空に虹がある〔ゆずさんに捧げる一作〕


その顔。
きみまた徹夜したね。
カラダ強い方じゃないんだから無理はだめだよ。
ああ。トーストくわえてどこ行く。
トイレに食品持ち込むんじゃない。
あ、電話までしてる。


襟川さん。
やっぱり四つ目の句でいくわ。
装丁、まだ間に合うよね、よかった。


電話を切って席に戻る。
食事の続き。
食後のコーヒー。
ああ、句集読んでる。
初心者さん添削始めたんだったね。


足とめてどれにしようか金魚鉢


って書いてたきみが、今や選句する側。
もうすっかりせんせいだ。


おはよ。
俊。


今頃僕に気づいたの?
そんなところも魅力だけれど、ちょっとすねたくもなる。
俳句に嫉妬。
そう。
そんな感じ・・・


見て。
これ。


示された一句にはこうあった。



虹があるただその空に虹がある




青い空がみえた。


そこにかかる、一本の、ただ一つの虹が見えた。


見えるでしょ?
こういうのも好きなのよね。
今でも。


ああ。


僕もだ。

技巧だけじゃないから。


僕は今でもきみが眩しい。



ゆずさん

書かせていただき

ありがとうございました(^^)

それでも地球は回っている