これはポストのものがたり

これはポスト3682号とポスト3836号のおはなし。
ポスト3682号とポスト3836号はおんなじ配達員を好きになったんだ。
手順てきに配達員、かすがさんはいつも、 3682号の処理をしてから3836号の手続きをする。
おなかを開けて、入ってる袋を出して、空の袋と取り替える。
何でいつもコッチがあと?
3836はちょっと悔しい。
嵐の夜、強風にあおられた3682は3836の方にひどく傾いだ。
チャンス!
3836は強風の勢い借りて、3682より向こうに首を伸ばした…

これで明日からは、こっちの処理が先になるぞ。

朝目が覚めると、
二人は地面に折り重なって倒れていた。
投函口を下にして。
手紙を受け取れないポスト!
何で欲を出したんだろう!
ポスト3836は泣いた。
おなかの中の手紙が濡れるほど。
そんな3836の下敷きになったまま、3682は頷いた。
わかるよ。
おれもかすがさん大好きなんだ。
これからもかわいがって貰えよ。

そう言って、3682はこときれた。
みると3682の一本足は、根元からぽっきり折れていた。

それでも地球は回っている