見出し画像

パラアスリートの目となって見た東京2020パラリンピック 塩川竜平【前編】ガイドランナー|挑戦のそばに

東京2020パラリンピックで、走幅跳・100m・ユニバーサルリレーに出場し、銅メダルを獲得した澤田優蘭選手。その活躍を、彼女の目となって支えたのが、ガイドランナーの塩川竜平さんです。接骨院で働く傍ら、誘われて始めたガイドランナー。2017年に澤田選手と出会い、様々な試行錯誤を繰り返して、連携を確立。夢だった日本代表となり、選手と共にメダルを獲得しました。スポーツにかける情熱、それを裏で支える人の想いに迫る『挑戦のそばに』。今回はガイドランナー塩川さんのストーリーを伺います。※4×100ユニバーサルリレー種目にて

味の素㈱は、JPCオフィシャルスポンサー(栄養補助食品)です。

・・・


何をすれば良いのかわからないまま進んだガイドランナーへの道

塩川さん (1)

2021年夏、リニューアルした東京・国立競技場のグラウンドに、塩川竜平さんは立ちました。一度は目指した日本代表。しかし、叶わなかった夢。その後パラアスリート澤田優蘭選手と出会い、ガイドランナーを継続。手探りの中で互いに理解を深め、ここまできました。その道を振り返り、改めて「やって良かったな」と、本人は充実感を嚙みしめます。

高校・大学と陸上競技を続けてきた塩川さん。400mを専門種目として取り組み、大学卒業後には柔道整復師の資格を取るため専門学校に入学。研修で、接骨院に勤め始めました。その時、かけられた一言から、彼の人生は変化していきます。

「院長から『知り合いの方がガイドランナーを探しているんだけど、興味ないか』と言われたんです。普通に競技をやっていても、パラリンピックを見る機会もなかったし、当時は何をすれば良いのかわかっていませんでしたが、紹介があってガイドランナーの道に進みました」。

ひょんなことから、始めたガイドランナー。それから約3年、塩川さんは障がい者チームに所属。男性女性・子どもから大人まで、様々な選手のガイドランナーを担当し、ノウハウを積み重ねます。ただ、「もう少し上のレベルでやりたい」との想いもあり、専門学校卒業とともにガイドランナーを辞めようかと迷っていました。そこで2017年、接骨院で出会ったのが澤田選手。トレーニングのために訪れた彼女が、ちょうどガイドランナーを探していたため、一緒に競技を続けることになったのです。

普段生活しているとなかなか接点のない、ガイドランナーという職業。どんな形で選手をサポートしているのかなど、塩川さんにお聞きしました。

「複数で選手を見ている方もいると思いますが、長距離だと基本的に1人の選手に対してガイドランナー3~4人がついてチームを作っています。短距離の場合だと、2~3人くらい。国内でガイドランナーをつけて短距離を走る選手は、男女合わせて3・4人ぐらいだと思います。僕自身は専属として、澤田さんをマンツーマンで見ている形です」と、教えてくれました。

味の素㈱は、JPCオフィシャルスポンサー(栄養補助食品)です。

蝪ゥ蟾昴&繧難シ・DSC05941-

・・・

共に歩み、一体となれた4年間

東京2020パラリンピックへの道を共に歩み始めた澤田選手と塩川さん。進行性の網膜色素変性症を患い、T12(視覚障がい)クラスとなった澤田選手の目となるべく、二人での競技への取り組みが始まりました。

とはいえ、他人同士の二人。最初は“気を遣わなくなるようにする”ところからのスタートです。「ガイドランナーを始めるとき、本当にずっと一緒にいることになるから、僕が気を遣うより“気を遣ってもらいたくなかった”んです。選手の負担にならないように考えながら『とにかく気を遣わないで下さい』と言いつつ、やっていました(笑)」。

塩川さんも伴走する選手にあわせて、走りを調整する必要があります。まず選手の癖や走り方に合わせて、少しずつ改善。スムースにスピードを上げていくため、減速せず助力にならないくらいのバランスを見つけて、サポートしていく。試行錯誤を繰り返し、4年間でその連携を作り上げていきました。

そして迎えた東京2020パラリンピック。大会が近づく中、澤田選手が肉離れを起こすなど、トラブルもありましたが、なんとか調整して3種目に出場。澤田優蘭選手はT12クラスで、走幅跳5位入賞、100m準決勝進出。そしてユニバーサルリレー銅メダルと、結果を残しました。

この結果を受けて塩川さんは、選手と同じ想いを共有しています。

「東京の世界大会にガイドで出るのも初めてだったので、やはり規模の大きさは感じましたし、良い経験になりました。結果としては、どうしても個人種目でメダル獲得を目指していたので、かなり悔しさが残ります。でも、最後にリレーでメダルを取れたのはチーム全体としてすごく嬉しかったです」。

澤田選手自身も、塩川さんに対して「ガイドランナーはレースで一緒に走る印象が1番強いですが、実際には会場の雰囲気やスタート前の周りの状況を教えてもらい、目になってもらうことがすごく多い。必要な情報を必要なタイミングで声かけしてもらい、塩川さんが冷静に対処してくれたから、変な緊張感もなく自分らしい競技ができました」と最大級の賛辞を贈りました。

蝪ゥ蟾昴&繧難シ・DSC05826-

➡後編に続く

味の素㈱は、JPCオフィシャルスポンサー(栄養補助食品)です。

------------------
🎽「アミノバイタルⓇ」の最新情報はこちら
スポーツ。水。アミノ酸。スポーツ科学に基づくアミノ酸補給「アミノバイタル」。商品情報や競技別のおすすめ活用法、スポーツに必要なアミノ酸、などをご紹介しています。
Twitter(@aminovital_jp)
Instagram(@aminovital_jp)
------------------