現地集合、大阪の旅
世の中が感染症に振り回される直前、3年連続で夏に大阪を旅した。
1年目は学生時代の友人Aと星野源のライブを観に行き、その翌日は大阪に住む共通の友人Bを訪ね、久々の再会を果たした。
私も友人Aも、ほとんど初めての大阪だ。大阪出身で、おっとり優しい友人Bに
大阪を案内して!と頼むと
「まずあのビルがなー、私が通ってたカワイ音楽教室ー」
「ほんであっこ(あそこ)がな、よくたまってたマクドー」
と教えてくれた。
ウケを狙っているわけではない。これがおっとり優しい彼女の通常運転だ。
彼女のおっとり優しくて可愛いところと、その反面、芯の強いところが私は大好きだ。
昼から串カツで1杯やり、かに道楽の前でカニのポーズで写真を撮り、すっかり大阪の虜になってしまった。
何を食べてもおいしくて、そして街全体がたくましい。
2年目は友人Bとの2人旅。
通天閣の歴史に感心し、念願のUSJで遊び、もっともっと大阪が好きになった。
現在の通天閣は2代目だという。通天閣の中に入ると、数々の映像や写真を通して通天閣がどのように大阪の人々に愛されてきたかを知ることができる。
USJは、とにかくクルーの皆さんがあったかくて優しい。
心の底から「また来たい」と思える場所だ。
おっとり優しい友人Bは、実は絶叫マシンが大好きだと知った。
3年目は友人CとDも加わっての4人旅。
みなそれぞれ働いている身なので、USJに現地集合することにした。
私は東京から夜行バスで、友人Bは家から電車で、友人Cは東京から新幹線で、友人Dは大阪に住む家族の家から、とそれぞれバラバラに集まった。
もちろん目的地までの道中を仲間たちと共有するのも楽しいが、遠い大阪に現地集合している私たち、というのもなんだか可笑しくて、全員がそろったときはみんなで大笑いしてしまった。
みんなで並ぶアトラクションの列は、暑いことを除けば何時間だって苦にならない。みんな1年かそれ以上振りの再会だ。
話したいことがありすぎて、聞きたいことがありすぎて、1日があっという間に過ぎていく。
子供のころは、友達が関東から大阪に転校するなんてことになったら、
一生の別れではないかと絶望していた。
でも今はもう、自分の力で会いに行ける。
一生の別れなんかじゃない。
こんな時、大人になるって最高!と実感する。
3年続いた大阪の旅は感染症の流行によって途絶え、その間に生活の拠点が変わったり、ライフイベントを迎えたりとみなそれぞれに変化があった。
目まぐるしい生活の中で、連絡を取ることも少なくなってきた。
そろそろ、また会おう。現地集合で。
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