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独身三十路女がタイBL沼に片足突っ込んじゃった話。①【ターン・タイプ】

タイBL。

存在や流行っていることは知っていたけれど、アジアドラマにもBLにも大して興味のなかった私。
韓国のアイドルとか洋楽とかも然りで、なんていうか異国のエンタメを全然知らない。これまで観たことのある海外ドラマは「フルハウス」だけだと思う。
BLに関してはなんかこう、開いちゃいけない扉的な感情を抱いていた。

タイに旅行に行くにあたり、タイの歴史や観光地はガイドブックやなんかを読めばいいけど、現在進行形のタイの文化とか空気感を知るにはドラマを観るのがぴったりなんじゃない?という至極まじめな理由で、アマプラでダウンロードし、飛行機の中や空港の待ち時間で視聴することにしました。
あと、タイ語のアクセントとか会話の感じとか、そういうのも知りたかった。

観たのはこちら「ターン・タイプ」

このページを作ってるのがタイ国政府観光庁ってのがすごい。

これまでアジアドラマもBLも観たことない私が、小一時間×13話のドラマを最後まで観ることができるのだろうか、しかもセカンドシーズンまであんの!?これは最後までもたないわ…。と思っていました。

結論からいうと
セカンドシーズンまで課金して観て、現在2周目でございます。

こいつぁ面白ぇや…。(以下ネタバレを含みます)



あらすじ

前半~基本ケンカ、基本怒ってる~

大学に入学し、学生寮のルームメイトになったターンとタイプ。

ターンはシティボーイで実家が太い(羨ましい)。
音楽学部に通い、バンド活動をしたり、バーでドラムを演奏したり。
お顔がものすごく良い。

タイプはタイ南部の島出身。
スポーツ学部でサッカー部に所属。まじめに練習しているようには見えない。
お顔がものすごく良い。

ドラマ冒頭はタイプ目線で物語が進みます。


さてこの二人、お顔がものすごく良い(3回目)。
ターンは笑った時の甘い顔が最強だし、タイプは6話くらいまでずーっと眉間に皺が寄ってんだけど、ドラマ後半からよく笑うようになってそれがかわいいったらありゃしない。私ってイケメン好きだったのか…!と衝撃を受けた。

ただ、顔と名前を一致させるのが苦手すぎて、どっちがターンでどっちがタイプかしばらく覚えらんなかった。
タイプ目線で進んでくから、てっきりこっちがターンかと。


優しくて良いやつとルームメイトになれたタイプは、俺の大学生活は順調な滑り出し…!とわくわく。
するとそこに、高校時代からの友人が

「お前のルームメイト、ゲイだってよ。」

ゲイが大嫌いなタイプはあの手この手でターンを部屋から追い出そうとしますが、ターンは「俺が出ていくということは、ゲイが間違いであるってことを証明することになる」と譲りません。
タイプはターンに対し、まるでガキか?というようなサイテーな嫌がらせの日々。でもターンは少しずつタイプに惹かれていきます(なぜ)。
ある日、いよいよキレたターンは仕返しにタイプのことを押し倒そうと(する振りを)しますが、タイプは昔のトラウマを思い出し寝込んでしまいます。
さらに、上級生に目を付けられ、LGBTQを差別する奴!とネットで晒されて大炎上。大学にも通えなくなってしまいます。
ターンはタイプの過去を知り、看病したり先輩に話をつけに行ったりと、タイプのために力を尽くします。
そんなターンを見て、少しずつ心を開いていくタイプ。
借りは返さねばならぬ、と武士のような心意気で、一度だけターンと寝ることを決めます。


前半はとにかくケンカ、ケンカ、ケンカ。
タイプなんて一度も笑ってないぞ。タイプの嫌がらせや口のきき方といったらもうひどいものです。友達いるのが逆にすごいレベル。
ただ、ゲイ嫌いのタイプのトラウマっつうのが本当にもう、それはトラウマになるよな…。ってなるようなものでしかないので、タイプに感情移入してしまうと辛い。ターンもなんてことしてくれてんだ。タイプ、辛かったよね…。

借りを返す!つって寝るのがドラマって感じ。その後どうなるのかは予想の通りです。

後半~もっと幸せシーンをちょうだい~

ターンはタイプにぐいぐいアプローチ。タイプも少しずつ心が動いていきます。「セフレってことで」と話をつけた2人でしたが、タイプはターンのことがどんどん頭から離れなくなっていきます。とうとうタイプに彼女ができるかも、というタイミングでタイプはターンへの思いを確信。
2人のお付き合いがスタートします。


さぁ、オレ様受けの爆誕です。
ここからようやくタイプの笑顔が見られるようになります。可愛いのなんの。あんなにキャンキャン吠えまくってた犬が懐いたら急に甘えだすんだもん、これがBLのやり方か…!って感じ。
「早くシャワー浴びてこい。お前の腕枕で寝るから」とか、なんなんだお前は!!!可愛すぎるだろ!!!!!もっと甘えてくれ!!!!!!!
一丁前に嫉妬したりなんかして、口は相変わらず悪いのに嫉妬が嬉しくてターンはニヤけっぱなし。どれだけ悪態ついても許しちゃうターンの懐の広さたるや。
ところで、付き合う前のタイプがターンへの思いに気付くのは、なんと彼女とのベッドの中。しかも彼女の誕生日。
マジで彼女がかわいそうすぎてなにか救いはねぇのかって思うのですが、セカンドシーズンでこっそり回収されます。気付くとニヤリな仕掛け。

ここからは2人のあまーい時間が流れていくのかと思いきや、
そうは問屋が卸さねぇ。じゃま者大集合。


付き合っていることを内緒にしていた2人でしたが、少しずつ周りにカミングアウト。

そんな彼らにまず近づくのは、ターンの初めての相手、サーン先輩
タイプにマウントを取りまくる取りまくる。
「お前のこと小さい時から知ってるもんな。昔は体も小さかったし、目の色もみんなと違うから、お前のことは俺が守ってたんだよな」「ターンは生ものが苦手なんだよな。無理すんなよ。え?君(タイプ)知らなかったの?」
短気なタイプはぶち切れ。
サーン先輩はターンに強引にキスしたりなんかして、なんだこいつ?って感じですが、「幸せになれよ…」って感じで去っていきます。

次に近づく黒い影は、高校生のター
ターンの元彼です。
ターの兄は、かつてのターンのバンドメンバー。2人が別れたことで、バンドを去ってしまった過去があります。
ターンに連絡しまくるター。怪しむタイプ。
そこへ、今のバンドメンバーのボーカルであり、ターンの親友でもあるロンが「ターンの恋愛遍歴を教えてやるよ」とやってきます。
ロン曰く、ターとターンは唯一関係が長続き。漫画みたいなお付き合いだったとか。
別れた理由は教えてもらえなかったものの、過去の恋愛話にモヤモヤ。
一方、ターはターンに対して、どんどんヤバい方向に向かっていきます。
「別れたくなかった!やりなおそう!」
「今の恋人と別れてよ!僕以外と付き合ってもどうせすぐ別れることになるんだから!」
混乱するターン。だって振ったのはそっちじゃん…
とはいえ相手は高校生。泣きながら訴えるターを優しくなだめつつ、絶縁を宣言します。
タイプはターとの話し合いから帰ってきたターンを問い詰めますが、なんだか煮え切らない表情。タイプ激怒!部屋を出ていきます。ターもターンもタイプもみんな傷心。号泣。
その後、タイプはターに会いに行き直接対決!
ターは「どうせ別れることになります!僕のせいで別れるんです」と宣言。なんなんだこの子…。
タイプとターンの関係は最悪。「お前を巻き込みたくない」というターンに「嘘つき!俺の気持ちがわかるもんか!」と激高。なにも信じられないタイプ。
タイプは、ターのこともターンのこともよく知るロンに相談しに行きます。
「ターの挑発に乗ったらお前が悪者になるぞ。ターンはお前を愛しているから大丈夫」と慰めるロン。酔いつぶれたタイプを部屋まで送り、ターンにもアドバイスして二人の仲を取り持ちます。
ターンの親友であるロンのおかげで、2人は仲直りできたのでした。


恋愛ドラマにはつきものの、順調かと思われる2人に次々と困難が降り掛かるパターン。サーン先輩はほんとにマウント取りたいだけの男だな!
ちなみにサーン先輩はターンの兄、トーンの親友でもあります。
初めて見たとき「ターンの兄のトーンの親友のサーン」って字面に爆笑してしまった。
覚えきれねぇ。ユウキの兄のユウヤの親友のユウタみたいな感じだろうか。ついでにバンドメンバーにはソーンもいる。
全然関係ないのですが、ターのことをなだめる時のターンのビジュアルがドンピシャです。まっすぐおろした前髪に物憂げな表情。最強。
ロンのおかげで仲直り。こちらもあるあるですが、仲直りのあとが一番燃え上がるパターン。もう燃えまくり。
このドラマ、タイではどの時間帯に放送しているのでしょうか。ベッドのシーンがあらあらまあまあ!すぎて飛行機の中で観ながら「周りの人に見られてませんように」って思ってしまった。

序盤にもちょくちょく現れるものの、後半になって頭角を現してきたロン。
ロンの歌うシーンはめちゃくちゃセクシーです。かっこよすぎる。

仲直りできてよかったね。

…よかったと思うじゃん?
さぁ、ここからがお立合い。黒幕真打ち現る。バンコクサスペンス劇場。

クライマックス~理解と感情が追っつかない~

ロンから、バンドが関係者の目に留まったことを知らされるターン。ホテルで関係者とロンのことを待っていると、男に部屋に連れ込まれそうになって激しく抵抗するターの姿が。ターを助けて部屋で落ち着かせるターン。
しかしターがターンのことを「寄りを戻す最後のチャンスだ」と激しく求めます。
連れ込まれそうになったのは嘘。仕組まれた罠なのでした。
ターに「自分の目で確かめに来い。ターンからの愛を証明してやる」と呼び出されていたタイプ。
ホテルのロビーで鉢合わせしたロンとタイプが目撃したのは、ターに覆いかぶさるターンの姿。
「誤解だ!」と弁解するターンの言葉は今度こそタイプの耳には届きません。嫉妬するのも振り回されるのも裏切られるのももう嫌。
「別れよう」と告げます。
「朝も起こしてやる。料理も作る。俺を独りにしないでくれ」と泣いてすがるターン。
「お前のために別れるんだ」と泣きながら去るタイプ。

ロンの元には、ある人物から電話が。
「ロンさん、言われた通りやりました。アレを返してください。」

傷心のターン。バンドの練習にも顔を出さなくなりました。
周囲の人々は、復縁を説得。ターンの兄はタイプを呼び出して問い詰めます(これはこれでヤバい)。
ターンのことは家族が、タイプのことは友人たちが優しく包みます。

ある夜。ロンの元に現れたタイプ。ロンも二人の復縁を提案します。
「それは本心か?」と尋ねるタイプ。
「あいつはタイプのことなんて忘れたってさ。寄りを戻そうなんて思っちゃいない」と急に手のひら返しのロン。
「お前とターンのことを思って言ってるんだ」と寄り添う姿勢を見せるロンに、「芝居はやめろ!」と一喝。

そう、ここまでのトラブルは全てロンによって仕組まれていました。
ロンは親友ターンのことを、誰にも渡したくなかったのです。
ターとターンが付き合っているときには、二人を引き離すために男を3人も送り込んでターのことをレイプ。暴行されているときの動画をちらつかせてターのことを脅し、二人を別れさせていたのでした。
今度もその動画を使って脅し、ターにターンとタイプを引き離すよう仕向けていました。

実はターとの直接対決の時に、ターから真相を聞いていたタイプ。
さらに、ロンと二人で飲んだあの日、タイプはロンのターンへの気持ちを確信していたのでした。
自身も幼少期の辛い経験があること、そしてターンがこれ以上嫌な目に遭うことを見ていられないことから、ロンへの復讐を誓っていたタイプ。
ロンは「ターンは誰にも渡さない」と殴り掛かり、最後は大きな石で殴って殺そうとします。

間一髪のところで、陰で見ていた友人たちとターンに助けられるタイプ。
ターンはロンに殴り掛かり、真相を問い詰めます。
全部ターンのためにやったこと。お前に釣り合う男は俺だけ。ロンは必死にターンへの愛を叫びます。これまでの彼氏と長続きしなかったのも、全部ロンのせいでした。
ターンからの愛を懇願するロンを、ターンは厳しく切り捨てます。
親友として誰よりもターンのそばにいたかったロンは、すべてを失ってしまいました。


え?これこういうドラマだったっけ?ってなる怒涛の展開。まさかお前が真の黒幕だったとは…。だって途中までめっちゃいいやつじゃなかった!?
次々と回収されていく伏線を見るのはミステリー小説を読んでいるかのよう。
タイプも知っときながらよく泳がせておけたな。普段は短気なくせに。
タイプの過去のトラウマは、伏線でもあったんですね。
別れよう、となった時の二人の号泣しながらの長尺シーンは圧巻。
作品全体を通して、タイプ役のガルフ君の演技のうまさ、特に表情の作り方や目線の使い方のうまさが際立っているなと思っていたのですが、なんと彼は今作がほぼ演技初挑戦なんだとか。とんでもない役者…!
ロン、サイコパスでやべぇやつだけど切ない男だ…。彼の迫真の演技もすごい。親友であって恋愛感情は無いようだけど、寂しく生きてきたロンにとって、ターンは初めて寂しさを忘れさせてくれた愛する友なのでした。その愛する男に、自分とは別の男を愛する姿を見せつけられる人生。切ねぇ。


仲直りするターンとタイプ。
タイプの「土下座して謝ればいいか?」という問いに「ずっと俺のそばにいろ。一生離さない」と言い放つターン。
二人の気持ちを確かめ合い、そこからはひたすらに甘い時間が流れます。糖分過多。

ターはフランスに絵の留学へ。
ロンは大学を退学。バーで遠くからターンが歌う姿を見て、涙を流します。

それから3年後。大学4年になっても、変わらず仲の良い二人なのでした。


最後までしっっっかり観てしまった…。
最後まで悪態をつきまくるタイプ、憎らし可愛すぎる…!!!!
このドラマの13話は特別編というか、その後の二人や周囲の人々を描きつつ、ターンが初めてタイプの実家に行った時の様子が描かれます。これまたやべぇ。堪らん。
ロンにも救いがあります。よかった。

まさか、ここまでしっかり観るとは思ってもみませんでした。
そして私は一度しっかり観たドラマは何度も繰り返し観るタチ。
もうしばらく楽しめそうです。

と、ここまでで軽く5000字を超えて6000字近くなっており、衝撃を受けました。書ききりのつもりでしたが②へと続きます。



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