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アルストロメリア

自分が書きたいことしか書かない。

受けたい原稿依頼だけを受けるので
幸福なもの書き人生だと思っている。

仕事をもっているからここで稼ぐ必要がない。
何度も書くけど忖度しなくていい爽快さはたまらない。
今月末が締め切りだった依頼原稿を編集に送っていまホッとしている。

数年前に

大好きで年下だけど尊敬もしてる詩人、豆塚エリさん編集のアンソロジーに参加させていただいた。

一般的にあまり知られていない花について書くことだけがテーマだった。
「あ」から始まるので印象に残りやすい、花もたたずまいも心に残る

「アルストロメリア」という花に決めた。

書き手あるあるだと思うけど

ここで爪あとを残したい とか

ここではやっつけ仕事だけはしたくない

と思いすぎると

本当に苦しくなる。

この作品で私は初めて近未来(つまりSF)について書き

現実では絶対にできないことを詩にした。

ホストについて調べるためにそれ関連のユーチューブを見まくった

書き始めて構成し過ぎてもう

なにがなんだかわからなくなった。

テーブルにはずっとアルストロメリアを飾っていた

記憶だけで書きたくない。

花を目の前にしてまじまじと見つめながら

それが生かせるのかも分からないけれど

とにかくそうしながら書いた。

もともと長く保つ花なのは知っていたけど

ことのほか薄ピンク色のアルストロメリアは枯れなかった


それから

今の私の力はここまで

それを受け入れるしかない

そう思って編集のエリさんに原稿を送った

一気に開放感が体を巡って自転車で外に出かけた


帰宅。

テーブルに置いていたアルストロメリアの花びらが

こと切れるように全部バラバラになってテーブルに散らばっていた


待っててくれたんだと思った。

今回の原稿への私の思いを汲み取って

私が作品を書き終わるまで

ギリギリまで咲いていてくれたんだと想った

涙があふれてとまらなかった。


今度の依頼原稿も

力を出し尽くしたい原稿だ

今も私の傍らには

白いアルストロメリアがいる


書きあがったよ。

ありがとう。

アンビリーバーボーな薄給で働いているのでw他県の詩の勉強会に行く旅費の積立にさせていただきます。