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【自伝的エッセイ】食べて、遊んで、笑って、友だちのとの楽しい時間

 人と食事をするのも遊ぶのも好きである。育ちが良くないので、食べ方は汚いし、口下手で、まったく会話はうまくない。人と行くのはためらってしまうが、魅力的で大切な思い出になるような時間である。
 十代は、ファーストフードなど安価なチェーン店に、友だちと長時間滞在しては、おしゃべりをした記憶がある。もう三十代ということで、大人な空間も味わってみたいと思っていたところ、ちょうど友人と、高級ブティックが立ち並ぶ銀座に行くことになった。
 銀座三越に行ったのであるが、お金持ちの街と言わんばかりに、高価なものが販売され、働いている人々も一人一人を丁寧に接客するようすが見受けられた。まるで別世界であった。
 昼はてんぷらをいただいた。ステーキにしようと思ったが、コースで一万五千円くらいだったので、「高すぎる・・・」と庶民の私は思った。そういうわけで、レディースランチ二千円ちょいぐらいのてんぷら屋に入った。
 平日だったが、スーツをビシッと着たご高齢の方が多かった。入るのをためらったが、意を決して入った。案内されたのは、ちょっとした個室の席だったので、写真などを撮りながら、出てくるてんぷらの美しさを楽しみ食事をした。
 プラネタリウムに行く予定だったが、たまたま休刊日で、三越の中で開催されている、金魚などを花や光でライトアップした展示、アートアクアリウム美術館GINZAを見に行くことにした。
 館内は暗く、美しいライトが妖艶に光って、マスクごしでもいい花が匂う。金魚や花や水の泡が、キラキラと七色に光るライトに照らされて美しかった。
 日常とかけ離れた金魚が泳ぐ、アートの異空間は素晴らしかった。
 それから「銀ブラ」というものをしよう。という話になり、街をぶらぶらしてみた。本来、銀ブラとは「銀座でブラジルコーヒーを飲もうぜ」という意味らしい。高級店が目立ち、平日というのに、人が多く、海外の人も多かった。友人が以前からテレビで見ていきたいと思っていたという、パフェ屋さんを見つけて寄ることにした。
 お店は二階にあるのだが、休日は階段から行列になるであろうことが壁に書かれていた。しかし運良く待たずに入れた。
 店内には、「四十五分制」「会話はお静かに」みたいな注意書きがあった。私はあまりしゃべらないが、友人は太陽のように明るく、話上手でおもしろい。やや心配していたが、案の定、帰り際に、他の客と同様に店員から注意された。申し訳ないところである。
 フルーツが盛られた二、三千円もするパフェは、おいしかったし、目の保護にもなり、胃も心も満ちたりた。銀ブラの本来の意味の通りにコーヒーも注文すればよかったかもしれない。
 こうして、あっという間に夕方になり、お互いの家族の晩御飯の準備をするために現実に還ったのである。また友人と遊びに行きたい。
 三十歳を超えると、学生の時の友人や二十歳の時につるんでいた仲間とは、生活環境や年収などが違ってくるし、時間的にも会いにくくなる。スマートフォンを見てもデータすら残っていなくてため息がでる。しかし、時間がたっても会ってお互いに成長していく友人がいることに感謝している。共に過ごしていける時間がうれしい。
 フルーツパフェのように、中に入る材料はまるで個性や思考のように異なる。でも、みんな一緒に、尊重しつつ、お互いを受け入れるようなパフェ。とても印象的な高級パフェのように、いつまでも、おばあちゃんになっても、みんなとの友情が続くことを願っている。


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