【毎週ショートショートnote】損の一部、真イカ
#毎週ショートショートnote
#損の一部、真イカ
682文字なり。
※たはらかにさん、裏テーマ、難しすぎるって(笑)
せんしゅうのきんようび、おとうさんのたんじょう日でした。
その日、ぼくはおとうさんとおかあさんと3にんで、かいてんずし屋さんにいき、ていくあうとでおすしをかいました。
ぼくはおすしの中で、まぐろがいちばんだいすきです。
でも、おとうさんはまいかというネタがすきだそうです。
この日も、まいかのおすしを10こもたのんでいました。
あまりにもおいしそうにたべるので、ぼくはずかんでしらべてみました。
まいかというのは、あしが6ほんある「いか」のことでした。
ちなみにまいかというのはいっぱんてきに、スルメイカのことをいうそうです。
でもおかあさんは、こまったかおをしていました。
さいきんは、いかがあまりとれないそうです。
だからいかはとってもたかいそうです。
「パパがいかばかり食べたら、まるおがまねして食べちゃうでしょ。いかってタダでさえ高いんだから、ちょっとは我慢してよ」
おとうさんは、たんじょうびなのに~となきそうなかおをしていましたが、おかあさんのいうとおりに、さいごのおすしはたこにしていました。
「たこも高いのよ」
そういったおかあさんのくちは、まるでたこのようなくちでした。
「全く、家計が損する一部は、真いかで間違いないわね」
なにをいってるのかよくわかりませんが、きっとおかあさんにとってはわるいことをいってるのだとおもいます。
それなのに、おかあさんはうれしそうでした。
おとうさんはあんしんしたかおをしていました。
それをみて、ぼくもなんだかあんしんしました。
クラスからまばらな拍手が聞こえる中、後ろに立っていた母の顔は固まっており、今にも口からスミを吐きそうな様相を呈していた。
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