自由な仕事?Web広告運用の未経験者が独学でフリーランスになれるのか?
こんにちは、アミジャットの田島(@amijat_work)と申します。
フリーランスとして「Web広告運用」のお仕事をしています。本当です。
最近、X(旧Twitter)にいただくDMで、多くなってきたものが
『Web広告運用は未経験です。独学やスクールでWeb広告運用を学んでフリーランスになることは難しいですか?』
という内容です。
最近はWeb広告運用に限らず、スクール系の「未経験でもフリーランスで月収○○万円に!」という広告をみかけるようになりました。
『私も独学(スクール)で△△を覚えて、フリーランスになる!』
と考えている人も増えてきているのでしょう。
「実際に未経験からフリーランスとして稼げるのか?」について、2017年からフリーランスとして活動している私の経験や考えを書いていきます。何かの参考になれば幸いです。
「未経験でも独学でフリーランスとして稼げるか?」への回答は『私にはできない』
最近、よく質問される
『Web広告運用は未経験です。独学やスクールでWeb広告運用を学んでフリーランスになることは難しいですか?』
私の回答は『私にはできない』となります。
人の可能性は無限大ですし、その人の頑張り次第ではどうにかなるかもしれません。
ですので、あくまでも『私にはできない』です。
よくある
・Web広告代理店に勤務中(経験はある)
↓
・経験を活かしてフリーランスになる
のケースとは違い、「未経験者がフリーランスとして活動する」ことには
①未経験の分野を自分の仕事にする(それでお金をいただく、食べていく)
②会社員などの「雇用される側」ではなく、フリーランスとして生きていく
この2つの障壁があるんですよね。
どちらか1つを達成するだけでも難しいのに、同時に2つを達成していくのは相当難しいですよね。
モンスターハンターで例えるなら
『今まで大剣しか使ったことないんですけど、ハンマーで初見の「激昂ラージャン」を倒せますかね?』
と同じ質問です。モンスターハンターをプレイしたことがある人なら
『まずは大剣で「激昂ラージャン」を倒してから』
『先にハンマーの使い方を下位クエストで練習しよう』
というアドバイスをするでしょう。私もこう言います。『「激昂ラージャン」を舐めるな』と。
甲本ヒロト氏『叶えたい夢(目標)は1つまで』
とあるテレビ番組で甲本ヒロト氏が語っていた言葉です。
『Web広告運用は未経験です。独学やスクールでWeb広告運用を学んでフリーランスになることは難しいですか?』
と悩んでいる人は、「Web広告運用を仕事にすること」「フリーランスとして活動すること」どっちが重要なのかを自分自身に聞いてみてください。
Web広告の”運用”を独学(またはスクール)で覚えることの限界
Web広告の”運用”を独学(またはスクール)で覚えるには限界があります。
『私は独学で覚えたぞ!』
『ウチのスクールを馬鹿にしているのか!』
という意見も出てきそうですが、まぁまぁ聞いてくださいな。
Web広告運用に限らず、物事を「お金をいただけるレベル」までに習得するには”知識”と”経験”が必要です。
例えば「動画編集」であれば、”知識”の部分は独学やスクールで「動画の撮影方法」「動画編集ソフトの使い方」「編集のコツ」などを覚えて、”経験”の部分は自分で動画の撮影&編集作業を繰り返すことで達成できるかもしれません。
しかしWeb広告運用の場合、”知識”は独学やスクールで学べますが、”経験”を独学で得るためには「実際にWeb広告を運用する=自腹で広告費を出して広告運用する」という障壁があります。
例えば「アフィリエイト商材の紹介ページ(LP)を作って、Web広告を出稿してみる」を実施しようとしても、一般の方が”勉強代”としてお給料の中から出せる広告費は「3~5万円/月」が限界ではないでしょうか?
もちろん”運用”ですので、1か月だけ広告を出して終わりではなく、毎月掲載し続ける必要があります。
ちなみにこれ、私には無理です。毎月3万円、違うことに使いたいです。
私のところには『Web広告運用を独学で覚えました』という方からの相談も多いですが、その方の背景は
ご自身が経営者で、自社商材のWeb広告を自分でやっている
会社勤めをしていて、社長や上司から自社商材のWeb広告運用をやってと言われて覚えた
のどちらかです。
さらに上記のような「会社の広告費でWeb広告の運用を経験できる」の場合でも、「特定の商材」「一定の範囲の広告費」の運用経験しか積めません。
月額30万円のWeb広告運用と、月額1,000万円のWeb広告運用、考え方が異なります。1,000万円のWeb広告の運用経験者が、月額30万円の案件で成果を出せるとは限りません。どちらかというと、広告費が少ない方が「試せる施策」や「分析に必要なデータ」が限られるため、難易度も高いです。
これが『Web広告の”運用”を独学(またはスクール)で覚えるには限界がある』の理由です。
Web広告の運用を覚えたかったら、Web広告代理店に就職しましょう
私がフリーランスとして活動できているのは、Web広告代理店に勤めていた経験があるからです。
スクールの金額が高いと悩んでいるあなた!
「お金を貰いながらWeb広告運用の経験を積める」
こんな最高なことはありませんよ!
『Web広告運用の未経験者が、Web広告代理店に就職なんて無理でしょ…』
と思うかもしれませんが、私は31歳のときにWeb広告代理店に転職しました。
当時の私には「検索したときに表示されるのがリスティング広告」「ホームーページに来た人を追いかけるのがリマーケティング広告」ぐらいの知識しかありませんでした💦
正直、転職希望者の条件に「Web広告運用の経験や知識はあるか?」を重視しているWeb広告代理店は、大手になるほど少ないです。
Web広告代理店は、未経験者にWeb広告運用を教えるノウハウを持っているので、転職者に求めることはWeb広告運用以外の経験だったりするんですよね。
私がWeb広告代理店の採用担当なら、『Web広告をスクールで勉強してきました』という人よりも、『雀魂(麻雀ゲーム)の「魂天」です』という人を採用したいですね。もちろん「麻雀の自己分析」についてガンガンと質問をしますが。
『あなたの副露率と放銃率の関係性を教えてください』
『親のリーチに対して、筋が何本残っていたら押しますか?』
とか。
ということで、「Web広告運用を覚えたい」と思った人は、Web広告代理店に就職してください。自分の労働時間を投資しましょう。
フリーランスになることは「目的」?それとも「手段」?
私の場合、フリーランスは「手段」です。
私がフリーランスになった経緯はこちら↓
『フリーランスは「手段」です(ドヤ!)』と書いておりますが、上記のブログの中で紹介している通り、正確には
35歳で中途入社した会社を3週間ほどで辞めてしまい、「もう転職は無理だ」と悟り、正社員雇用以外で収入を得る手段がフリーランスしかなかった。
です。
サラリーマン時代より収入を増やしたい!
自分の権限で自由に仕事を選びたい!
時間や場所に縛られない生活をしたい!
自分らしく生きたい!何者かになりたい!
これらの感情、1ミリもございません。
妻と猫と暮らせていけば十分です。これが「目的」です。
こんな感じでフリーランスになったので、『フリーランスとして生きるコツを教えてください』みたいな相談をいただいても、もともとフリーランスになる意欲もなければ準備もしていなかったので、なかなか回答に困るんですよね💦
ほんと『「やるかしかない」って状況に追い込まれたときに、自分がやれる人間であることを願うしかない』というアドバイスしかできません…。
実際のところフリーランスって大変なの?実務経験があれば食べていけるの?
こんな私でも7年ほどフリーランスとして生活できているので、『簡単です』とオススメしたいところですが、実際は大変だと思います。(なぜか他人事)
大変なこと①お仕事を獲得する
これが一番大変です。どんなにスキルがあっても、そもそも依頼が来なければ収入になりませんからね。
私が長く続けていられる理由の1つは『知人からの紹介には頼らない』と決めたことです。
まぁ、そもそも仕事を紹介してくれるような知人は少なかったのですが。
フリーランスの方が独立した当初に多いのが『案件は知人からの紹介』というケースなのですが、『フリーランスになる前の知人との仕事関係は、3年続くかどうか』と思ってください。
独立から3年間の「ご祝儀期間」のうちに
フリーランスとしての人脈
直接お仕事の依頼が来る仕組み
を作ることに注力してください。
これをサボると、いわゆる『フリーランスは3年間が限界』の壁にぶち当たります。
なお私はフリーランス7年目ですが、必死にこの壁をよじ登っております!
大変なこと②営業スキル?が必要(この表現の仕方が難しい…)
どんなに実務のスキルが高くても、お客様から
『この人とは一緒に働きたくない』
と思われたらアウトです。契約終了です。
『フリーランスは「傭兵」なんだから、実務スキルが高ければ良いんじゃないか?』
と思うかもしれませんが、違います。
まず「実務スキルが高い」は当たり前の条件です。時間単価にしたら、正社員よりも高い金額を払うんですから。
で、高い金額を払てまで「付き合いにくい人」とは、仕事をしたくないですよね。
『なら、お客様に気に入って貰えるように、イエスマンになればいいのか?』
と思うかもしれませんが、これも違います。
お客様が間違った道に進もうとしているのなら、こちらはプロとして「違いますよ」と指摘する必要があります。
まぁ、ようは『どう伝えるか?』みたいな営業スキルが必要ですね。タイミングは?表現は?チャットで伝える?口頭で伝える?みたいな。
以前にX(旧Twitter)で、
チャットの文章の最後に「!」を付けなかったら、『冷たい』と言われてしまった。そもそもビジネスのチャットに「!」を付ける必要ありますか?
というポストを見かけました。
・チャットの文章の最後の文字で印象がどう変わるか?
・この場面では、チャットの文章にどの”締め”を使うべきか?
これを無意識で対応できない人(ストレスに感じる人)は、フリーランスには向いていないかもしれません💦
チャットの文章は些細なことですが、『一緒に働きたいと思ってもらえる努力』が必要です。
↓フリーランス(社会人)の必読書
↑この本、なぜか実家にありまして、私は中学生のときに読んでました。気持ち悪いですよね。
大変なこと③メンタル
「TIME/タイム」という映画がありまして、「自分の余命をお金で購入する」という世界のお話なんですけど、私にとってフリーランスの生活がほんとにコレです。
『あ、案件が一気に終了した…。来月からの収入が○○で、毎月の出費が△△で、貯金が××だから、このままだとあと◎◎ヵ月で尽きるな…。』
みたいな。
会社員時代の「毎日仕事があって、毎月お給料が貰える」の環境が、どれだけ素晴らしい世界だったのか、フリーランスになってから分かります。
会社員とフリーランスとではストレスの種類が違うのですが、フリーランスになる動機が
『会社員はストレスが溜まる…。フリーランスになってストレスなく自由に働きたい!』
という方は、「ストレスの溜まらない会社に転職する」を選んでください。
まとめ
フリーランスって働き方は、ほんとに「手段」でしかないんですよね。
分かりやすくモンスターハンターで例えますと
モンスターハンターポータブル2ndG(MHP2G)の「ミラ〇〇〇」系がどうしても倒せなくて、倒し方を調べたら「トウモロコシのガンランスでガードしながら砲撃を繰り返す」が出てきて、仕方なくガンランスを作って『なんだよこの武器。動きも遅いし、操作もよくわからないし…』と思いながら、「ガード→砲撃→ガード→砲撃→ガード→リロード→ガード→砲撃…」を40分ぐらい繰り返しているうちに操作に慣れてきて、『実際はガンランスってどうやって戦うの』と気になり、ガンランスのプレイ動画を探したらめちゃくちゃ上手い人がいて、『ちょっと練習してみよう』と他のモンスターを討伐し始めたら、ガンランスじゃないと戦えない体になってしまった。
※「MHP2G」のガンランスのコツは「砲撃を使わない」なんですよね。砲撃すると切れ味が落ちるので。『じゃあ、普通のランスで良いじゃん』と思うかもしれませんが、攻撃したあとの回避までの待機時間(ディレイ)がランスよりもガンランスの方が長くて、横ステップの幅も長いので、回避しやすいんですよね。いわゆる「ステップガンランス」という戦い方ですね。
という感じです。
たまに
『フリーランスから会社員に戻ろうとか考えたりしますか?』
と聞かれることもあるのですが、回答は
『気にしたことが無い(何も考えていない)』
なんですよね。
働き方は手段(ガンランス)なので。
フリーランスという働き方(ガンランス)ではどうしても倒せないモンスターが出てきたときに、初めて『ちょっと働き方(ガンランス)を別のもの(ライトボウガン)に変えようかな』と考えるかもしれません。
まぁ、武器を変えることよりも先に「ガンランス 〇〇〇 倒し方」を調べますが。
儲かっていないフリーランスの人ほど、SNSで『自由を手に入れて充実してます!』とアピールしがちなので、憧れみたいなものを抱いてしまうかもしれませんが、あくまでもフリーランスという働き方は「手段」でしかないので、『フリーランスになれば自由が手に入る!(目的)』にならないよう、ご注意ください。
おしまい。