コロナで世界は変わらない

今日は2020年の5月17日。世の中はコロナで自粛で大変だけど、大都市以外はちょっと解除されつつあったり、東京でも1日の感染発覚者がずっと100人を下回って、このところは10数人の日もあったりして、ちょっとずつ緩んできている。そして今度は「アフターコロナ」について賑やかになりつつある。

3月4月から、これは百年に一度の大事件だ、これによって世界は変わるだろう、みたいなことは言われていた。それがいよいよ強制自粛(イヤミの意味で使ってます)の終わりが見えてきて、緊張がほぐれて気が抜けて、当たり前だけど人間はずっと緊張しつづけていることはできなくて、大きく長い緊張をすればその後にくる反動も大きくなるのは当然である。

そしてアフターコロナである。俺は断言する。世界は変わらない。これからも今までとそんなに変わらない感じで続いていく。間違いない。おそらく近い将来、ワクチンなり特効薬なりができるだろう。そして世界規模で量産されていくだろう。それまで1~2年くらいか、それで終わりである。日常はつづくよだらだらと。

そもそも世界というのは変わっているものなのだ。ちょっとずつ、1年2年では気づかないが、10年だとまあまあ変わる。30年くらいだとなかなか変わる。30年前、昭和の終わりから平成の頭にかけて、学校で先生が生徒を殴るのは当たり前であった。でも今はそうじゃない。少なくとも表沙汰になったら怒られる。30年前の人にいっても信じてもらえないだろう。そうやって世の中はちょっとずつ変わっているのだ。

同じペースという訳でもない。時期によって早まったり、しばらく足踏みすることもある。そして一方向にまっすぐ進むものではない。俺のイメージだが、たぶん世の中というのは進んだり戻ったりしながら、それでもちょっとずつ良くなっていくものではないかという気がしている。三歩歩いて二歩戻るみたいな。

良くなっている、とは信じたい。そうでなきゃやってられないし、体罰の話を例にとっても、それでいいと思う。まだまだ世の中はクソみたいだけれど、大局的長期的には良くなっていると信じている。

コロナは確かに大事件だが、コロナそのものによって世界が変わるわけではない。そもそも世の中というのはずっと少しずつ変化していくものであって、それがコロナによってちょっと加速することはあるかもしれないが、言うてもその程度だということだ。ざっくりいえばそれはコロナで変わったという風にみえるかも知れないが、細かくみればそうじゃないのだ。これまで色んな人が努力して、コツコツ変えようとしてきたことだったりするのだ。

例えばリモートワーク。別にコロナ以前からあるにはあった。30年前からパソコンとインターネットとモバイルが発達して、10年前くらいからみんなスマホ持つようになって、その性能がどんどん上がっていって、という文脈の中で今のことがある。コロナで急にはじまったわけじゃない。これまでの経緯が、コロナでちょっと加速しただけのことなのだ。そして今度は週4日勤務(週休3日制)の話も出始めている。実現するかどうかはわからないが、これだってコロナ以前から話は出ていた。そういうことだ。

コロナはよくも悪くもコロナに過ぎないので、この便利な道具で色んなものを覆い隠してしまったり、押しつけてしまったりしない方がいい。その方がわかりやすいしキャッチーだし楽なんだけど、ただそれは本当ではない。誠意がない。そこのところはちゃんと頭に残しておいた方がいいと思う。

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