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暮らしマルシェ vol.8

想いが育つとき (前編)

vol.1 でも少しだけ触れましたが
そもそも、”暮らしマルシェ”とは
映画館CINEMA AMIGOでまだランチ営業をしていた2014年ごろ
私の担当曜日に開催していた小さな小さなイベントの名前です。

初動を産んだ子育て中のフラストレーション

ことの始まりは、育児中の若い仲間との会話から。

オリジナルハーブティーや自分で作るオーガニックコスメのワークショップを提案していたメグ(HONEY&HARB)
手編みの小物作品を作りはじめたばかりのエリーコ(LAST WALTS)
まだ製菓で本格始動する前のはるか(当時はcocosweets、現在はépices)
かわいいアンティークボタンや毛糸などを販売していたあかねちゃん

当時、彼女たちは乳飲み子をかかえて子育てまっさい中で
これまでやってきた仕事をスローダウン、または一時停止していたなか
活動したい、けど小さな子供を抱えてできることが少ない…というジレンマを抱えていて
ならば私のランチ営業のときに、お客さまも注文しなくても出入り自由な1日を作って
その日参加できる人だけでできる範囲の出店をしたら?
10時から15時の上映までの間なら時間も短いし負担も少ないよね。
遅く来てもいいし、早く切り上げてもいいことにしよう。
何が並ぶかお客さまに聞かれたときのために、来ない時だけ連絡しよう。
ということで、気ばらず、互いの負担も最小限にとはじめた企画。

お互い子供をお腹にかかえているから
泣き声で緊張したり気まずくなることがない。
ご飯中は別のママが抱っこしてあげるとか
あやしながらの立ち話で接客するとか
そんな店内だから、小さな子供をもつママたちも気兼ねなく入れたと思う。
やかましいのが嫌な人は、この日は帰ればいいだけ。

当時CINEMA AMIGOでのランチ営業はなかなか画期的なシステムで
朝から上映前までの時間は売上の10%を場所代として支払い
その日のその時間は自分の店として営業する、というもの。
売上が少なければ支払いも少なくてすむからリスクも最小限。
だけど食材なども準備してある程度仕込みもしているから
リスクを減らし利益を出したければ自力で集客するしかない。

逆にいうと、まだ出来立てで周囲から少し怪しまれていた(笑)
映画館らしからぬこの店に集客は望めないということだけれど…

価格設定もスタイルもメニュー構成も各自の判断にまかされる。
唯一、素材選びや化学調味料、食品添加物に対する考えや知識は共通認識として共有、環境にも配慮して最低限のガイドラインを守ること。

だから、自分のランチタイムに企画するイベントは自己判断で実行できたし
みんなも、出店料のリスクは最小限。
出店=プレゼンの場となり
イベントというと、ついつい売上に走ってしまいそうになるけれど
この時この企画では、みんながいつか子供が大きくなってもっと動けるようになった時のための準備機会となったし
また、AMIGO KITCHENとしてのガイドラインがあるおかげで
食べ物以外にもその理念は反映されるから、まだ数少なかったとはいえ来場してくださったお客さまにとってもわかりやすく安心だったはず。

雇われずに個人で生きる

広がりは子育て中のママたちだけでなく、同様の思いを抱いた人たちが集い
コツコツとモノ作りを続けていた人気陶芸家の安江かえでちゃんや
自分で染めた布で作る野菜にぎにぎが大人気のアクセサリー&小物作家ignutsのなつこ、カンボジアペッパー篤屋のあっちゃんも加わった。
オンラインショップbaseやメルカリなんかがまだできる前のこと。
来場者は少なかったけれど、何かのはじまりを自分たちの手でこじあけようとした企画だったように思う。

AMIGO KITCHENのスタートもそうだけれど、雇用関係ではない、相互補助はしながらも自己責任型の仕事の仕方。

当時のフリーランスって、スタイリストやヘアメイク、カメラマンみたいな一部の業界に属する人の名称みたいなところがあって、フリーランスといいながらみんな事務所に所属したりしていたから
雇用関係のない、完全な個人単位での働き方はまだまだ解像度が低かった。

そんな中、映画館CINEMAAMIGO でスタートしたフードチームAMIGO KITCHENは、食に特化した個人集団。
そして、女子を中心に、食以外のコンテンツも絡んだ実験が暮らしマルシェだった。

自分の足で立つ人が、ときに集まって互いの得意分野を持ち寄り、集合体としていつもと違う仕事を作り上げる。
終わったら解散し、流動的にまた新たな仕事を作り上げる。
AMIGO KITCHENで出来上がったスタイルは、その後ゆっくりと様々な成長を遂げたなと思っています。

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〔暮らしマルシェの初期メンバーたち〕

めぐは、現在小豆島へ一家で移住し活動しています。
見た目も美しく、優しいブレンドのハーブティーは、c:hord hayamaでも人気でした。

エリーコはプレス力を活かして現在ポップアップサービスを起業

https://www.instagram.com/eriko_lastwalts/

甘さ控えめなのに満足感のある、一度食べたら虜になるファンを増殖させているはるかの洋菓子は、オーダーでも大人気。
c:hord hayamaでも毎回売り切れで、取り置き希望続出でした。
現在は、オーダー以外に水曜喫茶という名でc:hord hayamaにてケーキとお茶の日も。
https://www.instagram.com/epices_cake/

https://www.instagram.com/chordhayamabookcafe/


かえでちゃんはCINEMA AMIGOでの最後のマルシェの日、インフルエンザでおやすみしたあと、そのまま帰ってはきませんでしたが、今も彼女の作る器のファンはたくさんいて、みんな持っているかえでちゃんの器をだいじにだいじに使っています。


なつこのignutsはアイテムも増え、変わらず精力的にモノ作り中。


あっちゃんのカンボジアペッパーは香りが違う!
特にリピーター続出の品、塩漬け生胡椒の衝撃をぜひ味わって!


『暮らしにあったらいいなを集めたマルシェ』
これが最初のキャッチコピーで、逗子海岸映画祭にも『暮らしマルシェ』としてみんなで出店したりして、やがて逗子海岸映画祭内BAZZARテントの常設物販へと発展するきっかけに。

⇩当時のブログは画像の貼り方からサイズに至るまでほんとうに素人感万歳すぎて、ある意味感慨深いw

⇩当時のウェブマガジン・ブリッサの記事


>後編に続く

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