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おもちゃの広場で大切にしていること

おもちゃの広場を開催して間もない頃。2歳くらいのかわいい女の子(Aちゃん)とママが遊びに来てくれました。

窓に飾られたビーハイブというおもちゃを見たママが、「どのように遊ぶのですか?何歳くらいの子どもが遊べるおもちゃですか?」と興味を持たれていたので、まずは基本の遊び方をお伝えしました。

これが、ビーハイブです。プラントイという会社から出ています。

ビーハイブ

「ビーハイブは、カラフルな6種類のハチの巣の中に同じ色のハチをピンセットで返してあげる木のおもちゃです。(対象年齢3歳頃)小さなお子さんはピンセットを使うことが難しいかもしれないので自由に遊んでくださいね。」

説明を聞いたママは、「赤いハチさんを赤いおうちに入れてごらん。」「赤はどれかな?違うわよ、それは黄色でしょ?」と言いながら、Aちゃんに声をかけました。しかし、Aちゃんは黄色のハチを手に取るとポケットに入れたのです!その他の色のハチさんたちも次々にポケットに入れ始めました。そしてそのまま、にこにこしながらままごとコーナーへ…。

その姿を見たママは、「本当にすみません、こんな風に遊ぶものではないのに…。」と申し訳なさそうに仰いました。そこで私は、「この広場ではどのように遊んでも大丈夫ですよ。」とお答えし、2人でAちゃんの遊びを見守ることにしました。

すると、ままごとコーナーに着いたAちゃんは、ポケットに入っていた6ぴきのハチさんをフライパンに投入し、近くにあったフライ返しで炒め始めたのです(笑)フライパンの上で、カラカラと良い音で炒められる6ぴきのハチさんたち...。なんだかとてもうれしそうに見えました。

しばらくすると、Aちゃんはハチさんをお皿に入れて、ママのところに持ってきてくれました。

「はい、どうぞ!」

私とママは思わず顔を見合わせて笑ってしまいました。ハチ炒め、いただきます!笑

おもちゃには、「こんな風に遊んでほしいな。」という作家の思いが込められています。そして、その遊び方ができる年齢が、対象年齢としておもちゃの入った箱に記載されるのです。しかし、それはあくまでも「おもちゃ作家が考えた遊び方のできる、おおよその年齢」であり、その年齢に達していない子どもが遊んではいけないわけではありません。一人ひとりの子どもによって、遊び方が違ってもいいのです。 

その時、想い描いたイメージを、制限されることなく、時間の許す限り自由にたのしんでほしい。おもちゃの広場を開催する時、私が大切にしていることです。

〈Point〉
おそらくAちゃんは、ハチさんを炒めている認識はなく、大好きなママがお料理する姿を再現していたのだろうと推察します。カラカラと良い音がする面白さも感じていたかもしれません。
こうした子どもの行動が見られたら、カラカラとなる音が楽しめる抽象的な素材をごっこ遊びにとりいれてもよいですね。


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