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手足に車輪を付けて日本を走ろう
「やはりワシの手足に車輪を付け、乗り物にして化石燃料の消費を抑えよう。もはやそれしか方法はない。それに昨今の車メーカーの体たらくには付き合っていられん」
「しかし博士を車に作り替えたとしてもいくつかの致命的な欠陥は残ります」
「なんと……」
「わかりやすいものとしては、博士の手足は走行の際の疲労蓄積に耐えられないという点」
「うっ」
「さらに、博士そのものを車に作り替えることにより、衣服
替えのまくらは切り裂かれた
ある夜。家に無法者が押し入ってきて、俺はたちまち拘束された。
紐によって手足を結わえられた俺の目の前に包丁を突きつけて男は言う。
「まくらを寄越せ」
あまりにもシチュエーションに似つかわしくない要求に俺は素っ頓狂な声を漏らしかけた。
しかし、この身に命の危機をもたらしているこの男の前において、迂闊な振る舞いはしないよう沈黙に徹する。
「話を聞いているのか」
俺は男の詰問を「ああ」とか「うう
とろろに粘性を加えるのはやめろ
擦り下ろしたとろろにさらに粘性を加えるのを即刻やめろと彼は私にささやいた。
それは桜の散り切ったこれから初夏へ向かう春の一日。教室の真ん中。
「そんな……」
そう言われても、私はいつもとろろに何かを加えて生きてきた。
醤油に塩に片栗粉、ホウ砂にセメント、アルミニウムにアンモニア、水素にヘリウム、キセノン、ウラン。
それを今さらやめるように忠告されたとて私には手の尽くしようもない。
何も返せ