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【終ヴィルFD】終遠のヴィルシュEpiC:lycoris Encoreアドルフルート感想

【ネタバレを含みます】
















初っ端、カプシーヌがアドルフをぶった切っていてちょっと笑った

マジ顔で蔑むカプシーヌ。ぐうの根も出ない正論ですねぇ…アドルフも「言い返せねえ…」と思っている風だった。

どうもこのセリフがアドルフに強く刺さったようで「俺のことは気にすんな…俺はお前さえ無事ならそれでいい…」と死ぬ気満々の様子で実験に身を投じていた。
本編のアドルフはアンクゥを助けにいく時間稼ぎのために、戦略的に実験に協力していたというのに、このアドルフはセレスと共に生きる未来を諦めてしまっている。もうこの時点で嫌な予感しかしない。

自虐的なアドルフを見たセレスちゃんは「こんな時までアドルフに無理をさせてしまう自分が大嫌い!こんなことならあのとき死んでおけばよかった!!」と感情のままに泣き叫ぶ。

お互いを大事に想っているがゆえに、相手が一番傷つくようなこと口にしてしまっている二人が辛い。なんなんだこの善意のドッジボールは…

セレスは「アドルフの負担を減らすために私も実験体になります」とカプシーヌへ身を捧げる。
アドルフを思っての行動なんだろうけど、それはアドルフを一番傷つける行為です!善意で殴り合いしないで…お願い…

自分の身代わりにセレスが実験に身を投じることになってしまった!!と牢の中で悔しがるアドルフの悲壮感がすごかった。
「守るだけに徹して共に進もうとしなかったことがこの顛末を招いた」と悔し涙を流すアドルフ。この期に及んで「側にいたのがイヴやアンクゥだったら…」と思っていてそういうとこだよ、お前…と思った

実験を施されたセレスを見たアドルフは絶望にうちひしがれる。「 我が身かわいさのためにお前を見捨ててきた俺なんかを、どうしてそこまでして守ろうとする??」と言っていて心が痛かった。

絶対に守ると心に誓った相手が自分を庇って傷ついてるんだもんなぁ。
彼なりに全力でセレスを守ろうとしているのに、いつも最善を選べないところがもどかしい。

実験に身を投じるアドルフとセレスをイヴくん救出する。イヴくん、いつなんときもヒーローみたく登場してセレスを救いにくるのかっこいいねぇ!!アドルフとの対比がとても残酷。

イヴとリュカ先生が脱出の突破口を開き、マティスは場所と機材を提供し、シアンさんはセレスの治療をにあたっているというのに、アドルフは苦しむセレスを見ていることしかできない…

アドルフが己の不甲斐なさに打ちひしがれて苦しむ姿、おいしすぎる~~~!!!!!うめえ~~~~!!!!!!

セレスの苦しみはアドルフの無力さが招いたものっていう不甲斐なさがまたたまんねぇ!!!好きだ!!!!

状況は悲惨そのもので救われてほしいという気持ちは確かにあるのに、無力感にうちひしがれた絶望ボイスがあまりにもおいしすぎて大興奮してしまった!アドルフ、いつも葛藤してて大好き!!

私は基本的にヒロインと攻略キャラを後ろで応援する守護霊的ポジで物語を見ているんだけど、苦しむアドルフが好きすぎてめちゃくちゃ自我が出てきてしまう!!帰ってください!!
こんなテンションで味わうシーンじゃないでしょ絶対…

なんやかんやあって、セレスちゃんは状態が悪化。シアンさんにも匙を投げられているという事実に絶望した。

虫の息のセレスちゃんが「”死にたい”と言ったらアドルフとアンクゥを更に絶望させることになるから絶対に言わない、私は二人を絶望させてしまった責任を取らなくてはならない」と言っていてええええええーーーーー!!!???と思った。
そう思わせていることが二人にとって絶望なんだが!!??

アンクゥも気落ちしていたしアドルフも「俺のせいだ…死ぬべきは俺でイヴが生き残るべきだったんだ…」と沈んでいて空気がクソ重かった。

落ち込むアドルフへセレスちゃんが必死で訴えかける。
「アドルフとアンクゥの想いが無駄になるのは嫌だから、もう少しあがいてみたい」

泣ける~~~なんて健気なんだ…😭😭😭
苦しんでいるのはセレスなのに縋っているのがアドルフという構図、めちゃめちゃいい!!!

強く儚く生を渇望するセレスちゃんを見たアドルフは「勝手に絶望していた俺が愚かだった」と考えを改める。
「どんな結末になっても俺は必ず最後の瞬間まで、お前の傍にいる、一緒にあがいてくれるか?」という問いに、もちろん、と頷くセレスだった。

セレスが生をあきらめない理由は「アドルフたちの頑張りを無駄にしたくない」っていうところにあるのに対し、アドルフは「セレスを失いたくない、自分が殺すことなどできない」という気持ちでセレスに苦しみを強いる決断をしている。
セレスちゃんの希望を汲んで、というのが一番なんだろうけど、自分本位な部分もちらちら見えるところがアドルフらしいなって思った。

セレスちゃんの苦しみは他者から与えられたものだけど、その後どう生きるのかがアドルフに委ねられてるところにこのシナリオの業の深さを感じます。


■別離のED2

もういよいよセレスが保たない…という局面になり、生きていたいかもう死にたいか選択を迫られる。

私は「生きたい、と言うのが正しいとわかってるけど、理性をなくし肉塊になっていくのを見られるのはさすがに辛い。それはアドルフを苦しめるだけ」と思って"死にたい"を選択したんだけど「別離の章」というタイトルを見て心の底から後悔した。
どんな最期でも一緒にいつづけたい、と頑張ってきた二人についていいタイトルではない…

セレスちゃんが「たくさんの時を一緒に過ごせたから、もう、しんでもへいき」と言うのを聞いたアドルフが明らかに意気消沈した様子で「それがお前の願い、か…」と言っていて「やっぱり生きたいです」って言いたくなった。

そうだよね、「死にたい」=アドルフの手で終わらせくださいって言ってるようなもんだもんな…
うわ~~~ミスった!!!!アドルフに業を負わせることになってしまった!!!!!

アドルフは「本音を言えば、生きたいと言ってほしかった…」と思いながらも本心を隠し「よく頑張ったな」と優しい笑顔で告げる。
もうこの時点で涙腺崩壊だった。
「俺はこんな強い妹をもてて誇りに思う」ってさりげなく妹扱いしてるのがまた辛い。

アドルフは決死の覚悟でセレスに死を与えようとするが、その手段が首絞めで驚いた。その手にセレスの死の感触が残るのエグすぎない…?辛すぎるよ…

必死の形相で首に手をかけるアドルフに「すき…」とつぶやくセレス。
それ今言うの~~~~!!!!????ってひっくりかえりそうになった。
妹扱いされたのが嫌だったのかなあ…気持ちはわかるけどこの期に及んでアドルフの決意を砕くようなこと言わないであげて…これ以上彼に傷を負わせないで…

アドルフも「なんで今になってそんなことを言うんだ!?」と激しく動揺していた。
「そんなこと言われたらまだ一緒に生きたいと、願っちまうだろうが…!!」と息も絶え絶えの様子で言っていて私はまた泣いた。

生かしたいけどそれはセレスのためにならない、と苦しむアドルフ。
「迷ってはならない、未練の赴くまま生かせば、セレスは死ぬまで苦しみつづけることになる、殺せ、殺せ、殺せ…!」と苦渋に満ちた声で自分に言い聞かせるも、殺すことができない…😭😭😭

助けてくれ……!!俺はまだこいつと一緒に生きていたい!!と泣きながら慟哭する姿はあまりにも痛ましかった。
幾多の絶望展開を乗り越えてきたけど、ここまで感情むき出しで絶望を露わにした人いなかったよね。
いもしない神へ咆哮しながら助けを乞う姿が涙を誘う…

最終的にセレスはアンクゥの銃弾により息絶える。
アドルフは最後まで人の手を借り続け、彼女が望む死すら与えることができなかった…

アンクゥの気持ちを考えるとかわいそうになるな。
アドルフの可能性を信じた結果、セレスに新たな絶望を与えることになり、自分の無力さを思い知りながらセレスとアドルフを手にかけるというね…
セレスちゃんがアンクゥの正体を知らずじまいというのも哀しい。
セレスちゃんもアンクゥの想いの強さは知っているはずなのに、最後の方はアドルフしか見てなくて「よくわからないけどいい人」で終わってしまったのが気の毒だった。

アドルフは冥界での再会という希望を抱いて死に赴く。
終ヴィルの男たち、みんなヒロイン第一主義で「彼女がいない世界なら生きている意味がない」って命を投げ捨てるからびっくりする。遺されたマムの気持ちを考えるといたたまれない。
自警団のリーダーなのに職務放り出してるし、周りに心配かけまくってそのまま逝くっていうある種の身勝手さもアドルフだなあって思った。

いやあ…セレスの生殺与奪を握って苦しみ嘆くアドルフ、かわいそうだったけどめっちゃよかったです。終ヴィルの瞬間最大風速を更新しました。

Encoreのアドルフずっと苦しみ葛藤しててまじでたまらんな!!??
アドルフは苦しませてなんぼだよな!!後悔と無力感でぐちゃぐちゃにしたろ!というシナリオライターさんの思念を感じました。

異端揃いの終ヴィルで唯一の普通の男にこんなドラマチックな展開を用意してくれてありがとう。
かわいそうとおいしいの狭間で精神がめちゃめちゃになり大満足でした。

■辛苦の章ED2

アドルフが「本音を言えば、人としての尊厳があるうちに"死にたい"と言ってほしかった」と独白していて

はああああああ!!!??


ってなった

お、お、お、お前~~~~!!!
死にたいって言った時は
「本音を言えば生きたいと言ってほしかった…」って思ってたくせに!!!

どっち選んでも否定的なんかい!
「死にたい」を選んで泣いた一昨日の私に謝れ!!!

アドルフはセレスと同じ実験を自分に施し、実験データを供給することでセレスを救おうとしていた。

どうしてそうなった!!!??
そんなことをしてもセレスちゃんは喜ばないということがなぜわからない !!!
セレスはアドルフと共に生きることを望んでいるというのに!!

ルート序盤で「自分が犠牲になってセレスを生かす」ってやってたのとまるで同じじゃん…それがセレスちゃんを苦しめる結果になったというのになんも学んでねぇ!!!

「どうか、幸せになってくれ」
という満足げな台詞を言いながら消えていくアドルフを見て、そんなバカな…ここで終わりなの…?って思ったよ。

ここで物語が途切れているということは、セレスちゃんはきっと救えなかったんだろうな。
アドルフのいない世界で苦しみ抜いて死んでいったのかなって思うと辛すぎる…


■別離の章ED1

アドルフがセレスの息の根を止めるEDだった…

「俺は全体重をかけ、セレスの呼吸を止め続けた」
この一文辛すぎない??
自分の意思を殺して、死という救いを与えるアドルフがしんどくてしんどくて、、、
首に指を食い込ませる描写とか、すごい生々しくてつらみがすごかった。
これ、影からアンクゥ見てたんだろうなぁ…
あ~~(頭抱え)

セレスちゃんとアドルフは最後にちゃんと「好き」を伝えあっていたけど、その下のどデカい感情までは伝えきることができていなかったのが、めちゃめちゃ切なかったです。

死というかたちであったけど、アドルフはセレスに救済を与えたんだと思う。
これはこれで好きだったんだけど、個人的にはもうひとつのEDの方が好きだったかな。
セレスの生殺与奪を握り心がバラバラになりながら苦しみもがくアドルフ、あまりにもよすぎた。いまだにあのEDに心が囚われています。

■辛苦の章ED1

セレスの命が尽きるまで辺境の地で生き続ける二人…
この状況辛すぎんだろ~~~!!!
生き地獄すぎて泡吹きそうだった

セレスちゃんは「あなたといる世界ならばどんな痛みにも耐えられる」って言ってたけどそれを真っ正面から実行してきましたね。
そして、アドルフもそんなセレスの望みを汲むと…

アドルフは「傷だらけになっても共に生き続ける。それがしぶといだけが取り柄の無力なアドルフが証明できる愛の形なのだから」と言っていたけどそれはそうかもしれない。
共にいることが何よりセレスの救いになるのだから。

セレスちゃんが生を渇望するのは、アドルフの存在あってこそ。
地獄にも等しい苦しみに耐え続ける元凶に自分がなっているとわかっていながらも、セレスちゃんに愛しさを感じてしまうアドルフの気持ちはわからなくもない。
互いの存在が希望でもあり絶望でもある、終わりゆく停滞を描いた切ないEDだった。

このED、本編三幕の終遠EDと対になってるね。
アンウゥが「死ぬほど苦しんでいるとき、俺は迷わず一緒に死んでやれる、それがアンクゥとしてお前に捧げられる、唯一の愛の形だ」って言っていたのと対照的だなぁと見比べて思った。

以上です。
Encoreのアドルフ、めちゃめちゃよかった…
私は本編のアドルフ救済EDが大好きなので「Encoreで地獄を見せつけてきたら許さん、シナリオごと記憶から抹消してやる」って強火で思ってたんですが、新たな切り口でアドルフの魅力が描かれていて大満足でした!

無力さにうちひしがれて絶望するアドルフ、あまりにも良すぎた。
"普通"であるがゆえに華々しい活躍ができなかったり、肝心な場面で決めきれずぐずぐず悩んでいたりと、泥臭く葛藤してるとこがすごくいい!!
セレスの苦しみはアドルフが蒔いた種ってとこもたまんないですね。
因果応報負け男アドルフ、大好きだ…!!!救済エンドも楽しみにしてる!!

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