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溶かす

 なるべくなら、よくわからないことをして生きていきたい。
 どうせ大して意味もない人生である。残るものだって特にない。そんならいっそ、思いっ切りよくわからない人生にしてしまいたい。
 時間をどろっと溶かしてしまいたい。
 今日はいつもの電車が止まってしまって、振替え輸送の電車に揺られたりした。遅刻するの困るななんて思いながら遠回りの通勤経路。これもある意味時間を溶かしているのだろうけど、向かう先が意味のあるものだから私の思い描く溶かし方ではない。
 畳の目とか数えたい。

 職を得て外から見たらそれなりにまともっぽい生き方はしている、気はする。将来が不安だなあって言いながら貯金をしたりもしているし。いまいち振り切っていない辺りはまだまだだ。
 とはいえ、こう、夢を追ってみたりしないし、今を楽しみ切るために刹那的になったりもしない。なんとなく時間とか酸素とかを消費している時間が多分一番長い。今も意味もなくキャンドルに火を点けてみた。燃えているな、火。
 そんな感じで、特に将来に繋がるとかない、ただやりたいことを適当に、極めたりもせずちょっとやりしていったりしていたい。

 でもよくわからないことって、なんだろうか。
 結局、なんかしらには繋がってしまう気もするんだよな。

 ああ、無駄だった。そんな人生。多分ものすごく贅沢なんじゃないだろうか。

 とりあえず思いついたし、今度の休みにキャンドルを作ったりしよう。んでもって特に意味もなく火を点けよう。なんとなく。

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