ガルフストリームを求めて
緊張気味にBARと書かれた看板のお店に入る。
大学生の時、人生の先輩に連れられて入ったBARはその日三件目のお店で、私は人生で数回しか行ったことのないBARという空間に足を踏み入れた。
今からしてみれば、そこはいくつもあるBARの中で格段店内が明るく、温かみのある空間であった。
人生の先輩に「何か飲んでみなよ」と促されて、メニュー表にあるカタカナの羅列に困っていたところ、マスターが「好きな味はありますか?」と渋くも優しい声で話しかけてくれた。
「あまりお酒を知らないので飲みや