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ニッチなキャラの話(小松田優作)


※私の個人的観点・予想を多分に含んでいます。また、アカン発言がわりと出てきます。気を付けてね。

前置きその1

唐突ですが私はオタクです。
オタクの最も幸せな時間といえば自分の好きなものに1人でまみれている時とその幸せを誰かに向けて語っている時なのですが、私が毎回妙にニッチなところに引っかかってしまうために誰に語っても全く理解してもらえません。すごくかなしい。
でも世はネット時代、ネットの海に放出しておけば巡り巡って同じパッションを持つ民が現れてくれるかもしれない。なんてったって語るのは自由なわけじゃん!語ってもいいじゃん!
私は語るぞ……いつか同志がこの地に辿り着いてくれるその日まで………。

前置きその2

私が高校生ぐらいの時、『忍たま乱太郎』が(主に女子の)オタクに再流行しました。
『忍たま乱太郎』といえば某国営放送で現在も放送中のギャグアニメで、20~30代の元キッズにとっては懐かしの作品ですが、キャラ描写が非常に巧みであったり、(主に原作漫画が)時代考察に非常に忠実に描写されていたりどことなくガロを感じる作風だったため、大人でも十分に楽しめるやん…と再注目されたんだ。多分。
私は象徴界と5~10年くらいずれて生きているためについ最近ハマったのですが、中でも一番大好きなキャラが作中でもややニッチな立ち位置にいるためここで語らせてほしい。

そいつ、名前を小松田優作(こまつだゆうさく)って言うんだけどさ………。

WHO IS 小松田優作?

おい、童心に帰って思い出してくれ。このキャラ、見覚えないですか?

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そうそう!たまーに主人公の乱太郎・きり丸・しんべえと絡んでる忍術学園の事務員・小松田秀作(こまつだしゅうさく)くんだよ!
(童心に帰れなかったひとはGoogleに聞こう)
なんと彼にはご実家に兄がいるんだ。それがおれの最推し小松田優作

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名前に「松田優作」が入ってる時点でかなり好きなんだが………。
以下、激推しポイントを解説させてください❤

お人のよさそうなお顔どすなぁ…

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まずこの顔を見たまえよ。優しみ100%で出来ているじゃあないかね!!!事務員の小松田くんと言えば作中最もニコニコフワフワな青年であり、その兄ももちろんニコニコな見た目をしています。

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作中でも度々言及されるくらいに小松田兄弟は顔がそっくり。身長もたったの1cm違い(秀作は164cm)。

弟の小松田秀作は忍術学園名物のへっぽこ事務員で、仕事は基本的に何をやらせても失敗ばかり。でもそれを覆ってしまうほどの持ち前の人当たりの良さ、底なしの明るさで何やかんやで皆から愛されています(作者曰く”忍術学園のマスコットキャラ的な存在”)。
兄の小松田優作も見た感じとってもお人好しそうな感じがしますが、性格はやり手のシッカリお兄ちゃんです。そこがいいんだなあ…。

滲み出てしまう弟への溺愛っぷり

ブラコンキャラ大好き勢がいたら今すぐに正座してくれ。
だいたいの事件や事故は彼が原因だというほど、弟の秀作は学園内のトラブルメーカー。なんでこんなにもへっぽこな性分になってしまったのかは、兄の優作がかなり影響している気がしてならない。

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この兄、いまだに弟をちびっこ扱いしているのだ…。
秀作は16歳、室町時代では大体が元服(成人)している歳です。

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秀作は度々優作に手紙を送っているようで、優作はそれを大事に保管しています。
手紙の内容は主に近況報告で、しかも仕事の失敗を包み隠さず書いているようだけど、それを知っていても優作は「難しい漢字も使えるようになりました」「何をやってもちゅーとはんぱな秀作が立派に務められている」…という具合。

というか呼び方がもう既にほんとダメ。
忍たま界では身内を「父上」「母上」「兄上」という呼び方をしますが、秀作は兄を「お兄ちゃん(アニメ版では優作兄ちゃん)」と呼んでいます。優作に至っては秀作に対しての一人称が「兄ちゃん」だ………。

自分を自ら「兄ちゃん」と呼ぶ奴は50000000000000000000000%の確率でブラコンだからな。

他にも高い月謝を払って弟を町の忍者塾(習い事だね)に通わせていたり、弟の事務の仕事を手伝いに行ったり…………。

言動から察するに優作は秀作に対してクッッッッッッソ甘いのです。
こんなん甘ったれ赤ちゃんになるしかないじゃん(確信)
優作に沢山可愛がられて育った結果、秀作はへっぽこかつ大変人に優しい子に育ったわけです。

京の扇子屋の若主人という優良ポジ

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小松田秀作の実家は京都の扇子屋「小松田屋」
兄の優作が主人としてお店を切り盛りしています。

時代は室町末期~戦国初期。
中国から逆輸入されたことをきっかけに一般市民に浸透した「扇子」は、貴族の持ち物から華やかなお洒落向けのアイテムになります。
さらに舞用、茶道用など色々な用途に合わせたものも作られるようになっていきます。扇子屋は室町時代のオシャレさんが通う所だったのだ!
京扇子は約88の工程ごとに専門の職人がいてそれぞれ別々に制作をします。
この分業制が確立したのも室町辺りからです(作中では「20工程ほどに…」とあるので、後年になって作業が細分化されたのかも)。
なんか急にやや語り始めたんだけど怖がらないで。

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小松田屋店内の様子。

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小松田屋では組み上げから販売までやっている描写が見られます。そこそこ大きな家っぽい。
しかし、室町時代の19歳というと十分に大人ではあるのですが、年上の職人もいるだろうにちゃんとお店を仕切れる優作さん、すごいぞ~。

「吉野先生の家庭訪問の段」では乱太郎と事務担当の吉野先生が優作に案内され、畳の敷かれた客間で茶を振舞われるシーンがあります。
当時の床は木板敷きが一般的で、畳が敷けるのは一部の裕福な家のみ。
また、書院造の室内であること、茶の作法を知っていることなどから当時の最新の流行に対応する、デキる人物像が伺えます。
見た目と性格と行動のバランスの良さ…優作兄ちゃん、マジ優良。良男(ヨキメン)すぎんだろうが…………。
私の中では今まで見たメディアの中で一番結婚に向いている男性キャラだと思います。結婚するならホントこういう人が良いよな。中々いないけどな。

"小松田"っぽい独特の動き、CUTE...


これはアニメ版で顕著な特徴ですが、優作兄ちゃん、動きがややおかしい。この人は絶対”小松田”だと感じずにはいられない、独特な動き方をします。
特に「吉野先生の家庭訪問の段」ではマジで独特なんだ。説明しづらいので見てくれ。見たらわかるが、こう、動作がいちいちデカい。デカい上に緩急の付き方が予測不可能。
でもって、こういうやつたまにいるよな~…という妙なリアルさがあります。なんでだろうか。
そしてそれが人間味を与えていてほんとすこ。亜細亜堂(アニメ制作会社)さんすげえや……。

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「小松田秀作の悩みの段」より。”小松田”っぽい木刀の構え方、ほんと良き…。

これは優作だけでなく作中のキャラクター全員に当てはまることですが、こういう奴、たまにいるよな…と思える性格や言動のあるキャラ付けには毎度感動します。

実は割と黒い(気がする)

まあ客商売だし同業他社もたくさんあるだろうし商人やってりゃ色々ありましょうが、たまーに黒っぽい部分が出てる優作兄ちゃんまじ最高……。

「吉野先輩の家庭訪問の段」では秀作の手紙を読む途中で豹変、いきなり初対面の先生を襲います。
そしてケロッと何事もなかったかのように笑顔に戻る優作。これ、普段吉野先生に怒られたりぶたれたりしている弟の代わりにちゃっかり仕返ししてないか……………?

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それまで笑顔だったのに突然スゥッ…と口角を下げて黙る優作、マジ怖い。

細かい見方をすると、アニメ版・漫画ともに児童向けに分かりやすく構成されているため、構図が極端にクローズアップされる描写をあまり使用しない印象があります。その点、ここから突然吉野先生を襲う→元の笑顔に戻る という流れ、スタッフも確信犯だな…と思ってしまうな…。
そうなると終盤で「吉野先生と乱太郎君、何しに来たんだろう?」と小首をかしげる優作の言動までが全部ウソ臭い。
(吉野先生は秀作をクビにすることを相談しに来たのだ……………………)
小松田の兄なので本当に理解していないのかもしれませんが、それはそれで怖いぞ。

これで独身

室町時代では20歳ごろまでには必ず元服(成人式)を済ませます。元服するとその後、まあだいだい決まって結婚が待っている。
作中では土井先生(25)も利吉くん(18)も見合いの話があったしな……。
里芋行者さんとミスマイタケ城嬢の結婚の話もあったしな……。

優作は元服済みの大人である上に、店を継がなければならないので結婚イベントは避けられないはずであり、先述の通りメチャ優良物件のため見合いの話が来ていてもおかしくない。が、今んとこ独身だそうです(※1)

『忍たま乱太郎』はやんわりサザエ次元なので、今後もそういった展開は描かれないかもしれません。
しかし、おかげでオタクは各方面で妄想し放題だぜ。みんな好きに味をつけろォォォ!!!!!!

ここからも妄想なんだけどさ

ちょっとのネタからさらに妄想を膨らませるゾ〜〜(オタクの良いところ)。

○ご両親は健在?不在?
『忍たま乱太郎』で実家の話が出てくる人物の大半はキャラクターとして父母が登場しますが、作中、小松田屋の主人であるはずの父、母は1回も出てきません(※2)。小松田屋でいつも出迎えるのは兄の優作です。
マイペースな子たちの親だからさっさと息子に店を任せて隠居生活に移った可能性も十分にありますが、もしかしたら高齢か病気かで既に亡くなっているのかも。
そうなると小松田兄弟の関係や性格の原因として両親の不在が関係しているようにもとれます。お兄ちゃんが親代わりだったとかさ………ほんとそういうキャラに弱い。やったぜ。

○優作兄ちゃん丑穴説という妄想(ほんと最高)
一般市民に変装して実際に町に暮らし、隠密に仕事をする忍者を丑穴(うしあな)といいます。
よく、二次創作では優作が丑穴のような存在に描かれているのを見かけます。弟の事もあってやたら忍者と絡む機会があるし、何なら忍者が仕込み武器用なんかに扇子の注文をしに店に来ることもあるようで、まあ裏のありそうな感じはかなり、かなりするよな。

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弟がらみのこととあらば忍者と仕事をしたりもするぞい!

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実際に優作が忍者していたりもする…。(※3)

作中では、同じ京都の町にある髪結い処が実家の忍術学園4年生・斉藤タカ丸が丑穴の家系という設定になっています。丑穴自体は身近(?)な存在だったんでしょうね(??)。

○…良い……扇子……………
声は小松田兄弟どちらも声優の山崎たくみさんが演じられています。
やや低めのねっとりボイスで優作兄ちゃん演じてるの犯罪級にえっちじゃ~~~~~~ん神に感謝!!!!!!!!!!
へっぽこ可愛い秀作としっかりお兄ちゃんの優作のマリアージュを高級フランス料理を手掛ける三ツ星シェフ辺りにも教えてぇよなぁ……………。
でも優作が出るたびに心の中で「良い扇子だ…」というセリフが浮かんでしまう。これは分かる人だけわかっておくれ。
山崎たくみさん、『忍たま乱太郎』では小松田兄弟の他に5年生の鉢屋三郎、兵庫水軍の義丸の声も担当されています。最高やで!!!!!
まじでほんと、声優さんの使い所に余念が無さすぎるな。

よろしく見てくれよな!

度し難いかもしれん………と思ったオタクのみんな~❤
優作兄ちゃんは以下の話に出てくるぞ~~~~❤❤
今年でTVシリーズ26周年の『忍たま乱太郎』、話数はメッチャ多いですが優作出演回だけならサクッと追えるのでぜひまずは試しにTSUTAYAに行ってください。そしてアニメを録画して漫画を買ってそのままミュージカル版も見よう(クオリティがすごい)。
原作漫画ならちょっとアダルティな優作兄ちゃんが見れるぞ❤

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【小松田優作出演回】※ほかに出ている話があったら教えてクレメンス…

○アニメ『忍たま乱太郎』
13期 5話「吉野先生の家庭訪問の段」←神回
16期 2話「髪結いに行くの段」、97話「私は泣きたくないの段」
19期 28話「危険な文化祭の段」、30話「図書委員会の店の段」、31話「幸運食堂の段」、52話「チャリティーバザーの段」
20期 37話「小松田秀作の悩みの段」
23期50話「優秀な事務員の段」

※残念ながら2019年現在、16期より前のシリーズはビデオ・DVD化がされていないようです…。(1期を除く。)
13期の神回は大きな声では言えないアレで見てみてね…。

○漫画(原作)『落第忍者乱太郎』
32巻、35巻、41巻、47巻、65巻(最終巻。以下に追記あり)

○ドラマCD『忍たま乱太郎』
火薬委員会の段「火薬委員会の買い出しの段」
↑小松田兄弟のプチいざこざが聴けるぞ~…癒し…

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是非ごひいきに~!!!!

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2020.7.14追記(随分経っちゃった...)

2019年12月、『落第忍者乱太郎』が連載33年の歴史をもって完結しました。
尼子騒兵衛先生、本当に本当に本当にありがとうございました………。

今年の4月からは月1で忍たま達が活躍する新連載をされていらっしゃいます。そちらも要チェック!
そして、『落乱』最終巻として発売された65巻に奇跡が起こりました……

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優作兄ちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

何とまさかの最終巻が………実質小松田兄弟巻なのだ…….........…............
見よ、この相変わらずのブラコンっぷりを。

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今まで見れなかった新しい(?)兄ちゃんの表情がタップリ見られます。
ぜひ!!!!読んでね!!!!!

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※1:作者自身から発言されたけれど作中ではまだ言及されていない半公式設定、所謂「つどい設定」で判明。
くそ真面目な話、実はこの設定は作品全体の問題であり、女オタクになぜ「忍たま乱太郎」がウケたのかが分かるだいじなポイントのひとつです。
以下にその点をよく解説された文章のリンクを貼ります。オタクを知りたいオタクは読んでみてクレメンス…。


※2「私は泣きたくない!の段」内、回想シーンで小松田屋の店頭にいる男女が両親説アリ。
※3 実は優作本人ではなく、優作の変装をした某フリーのエリート忍者です。



※4 腐女子としてナニを全部見ました(何をとは言わないが)全部最高なんだけど優出茂は特に良すぎて毎度泣く おすすめ・・・

ワイに貢ぐ💖👇👇👇