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アメリカナマズを美味しく食べよう 下ごしらえ編(+温度管理)

ナマズを食べる・・・実は「白身魚」として世界各地で食べられています
洋風料理ではフィッシュ&チップスやフィッシュバーガー、ソテーに、
アジア料理でも様々な形でナマズが使われています

アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)も元々は食用として導入されました(霞ヶ浦はそういう魚が非常に多いのです)
そんなアメリカナマズの「天然物」をおいしく食べるためには「くさみ」をいかに取り除くかが重要になります
今回はその下ごしらえについて書いていきます

【最初に 生きたままの移動は犯罪】

アメリカナマズを釣って、泥抜きのために生かした状態で持ち帰りたい・・・
これは外来生物法の「飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止」という内容に触れるため罪に問われます

懲役3年以下 または 300万円以下の罰金
生態系に重大な影響を及ぼしかねない行為への罰なので重くなっています

【大事なことその2 適切な温度で持ち帰る】

生ものですので、死後傷み始めます
大まかに言うと、理想的な持ち帰り方は釣ったあとは氷水で冷やして芯まで冷やし、持ち帰る時には水を抜き、5~10℃を保つとのことです

・海水や湖水は微生物の働きで腐食が進みやすいです
・真水に当てると魚の身の味が抜けていきます
→塩水や日本酒に漬けることで逆に味が身に入っていきます

~注意~
10℃以上になると食中毒の原因菌のひとつ、黄色ブドウ球菌が増殖/毒素が発生するので出来るだけ避けるようにしてください
毒素は加熱しても死滅しません・・・あたると2~3日下痢、嘔吐が一般的症状です。下痢止めは飲まず、経口補水液などで耐えてください

またサルモネラ菌対策として食べるときは「中心温度75℃1分」まで加熱してください(鶏肉と共通)

【釣る場所の水質は大切】

アメリカナマズも住む水質によって身のにおいが変わってきます
水の流れが少なく、臭う場所の魚は身もくさい傾向にありますので食べるために釣るにはオススメしません

私が持ち帰り用に釣るのは
・湖底が砂系              ・市街地から離れている
・水が動いている(波) ・水温が低めで臭いが少ない
時です。少し波が立つような状態であれば大抵問題ないです

【血抜き】

生きたまま持ち運べませんので現地で締めて持ち帰りましょう
まずはキッチンバサミでエラ、尾の半分以上を切り落とし血抜きします
血抜きは魚が暴れて全身に広がった血などを抜くために行います

・真水を使う(理想)
バケツに張った真水に頭から入れてゆすることで体内の血を抜きます

・ストリンガーを使う(海魚で使われるテクニック)
魚をキープするために使うストリンガーにつないで、ゆっくり泳がせて血を抜きます

・血合いを切り取る
血にニオイがあるので、魚をおろした時に身の赤い部位「血合い」を切り取る方法もあります
冷凍白身魚「パンガシウス」も実はナマズ。切り身から血合いが取り除かれているのが見えると思います
※血合い:魚の遅筋(持久力系筋肉)、酸素を必要とし血が多く通う部位
常に泳ぐ魚(マグロ、ブリ)は血合いが多く、アメリカナマズやヒラメのような待ち伏せ系の場合は少なくなる傾向があります

下記ブログより引用


【皮のぬめりをとる】

皮表面のぬめりは結構生臭いです
さばく前にぬめりを取ることで、さばく時の身へのにおい移りを防げます

表面を酢+たわしなどでこすり洗いします(片面大さじ2~3)
お湯をかける「湯引く」方法もあります

その後仕上げに包丁の背でこすり、白~黄色いカスをそぎ落としたら終了です

~真水がない場合~
真水が確保出来ない場合は可食部への細菌汚染を防ぐため血抜き、皮ぬめり取りまでに留めておくのが良いと思います(内臓は傷みが早いので悩ましいです)

【さばく~切り身にする】

手早くさばくのであれば腹から開いて内臓を取り出すのがオススメです
・一般的な腹開き(三枚おろし)
・うなぎや魚の干物のような背開き

この時、まな板にニオイが移るのをふせぐために「牛乳パックまな板」を使うと洗いやすく、後の作業にキレイなまな板を温存出来ます

~腹開き(三枚おろし)~
・腹を開いて内蔵を取り除く
※内臓、特に肝臓と血がくさいので壊さぬよう、身が触れないように取り除きます

・背中から背骨に沿って包丁を入れ、腹骨に沿う感じに削ぎ離していく
(胸周りの身は骨が邪魔で同時に取りにくいので別途)

胸びれ周りの肉は筋肉質、背中周りは柔らかな肉質をしていますので、違いを楽しんでみるのも良いと思います

頭と背骨はものすごく硬いです
切り離す際には強固な包丁。。。わたしは手でへし折っています

※頭の切り離し方にはコツがあるようです
背びれの後ろから切り落とせるラインがあるそうなので、近々実践してみます

また背開きにすることで頭部を落とさなくても身を切り分けることができます

~ナマズの背開き~


皮を取るときは皮と身の間に包丁を入れて、皮を「引いて」取るとキレイに取れます(少し慣れは必要です)

内臓などを捨てていくのは不法投棄、ビニール袋などに入れて持ち帰りましょう。トゲのある部位は使用済紙パックに入れて保護すると身を傷めずに済みます(ここでも活躍)

~おまけ~
骨で出汁を取ったところ良い出汁が取れました。身を使いキムチ鍋で試したところ、タラ鍋風でとても美味でした


【くさみ抜き】

調理前のくさみ抜き、これは好みです
私は日本酒に長めに漬けてくさみを抜いています
その他牛乳、生姜、にんにくなどがあります

ひとまず
日本酒で洗って、少しの間ペーパータオルで包んで水気を取る
(スーパーのお刺身にも有効なテク)
はオススメです

冷凍保存をするのもオススメ、密封保存機があると便利です

【まとめ】

以上が大まかにまとめたアメリカナマズを食べる下ごしらえです。
安全第一、そしてより美味しく食べるための工夫を重ねていきましょう

一般的な締め方について…HONDAやヤマハ発動機のサイトにも詳しい情報があります

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