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映画『渇水』で芥川賞に触れる

『渇水』との出会いが芥川賞との出会いだった

ごきげんよう。雨宮はなです。
先日、KADOKAWAさんに招待していただいた試写会で『渇水』を鑑賞しました。
映画はとても素晴らしく、日本にはびこり続ける問題を流行の俳優陣と子役がどうにか緩和させているといった印象を受けました。

さて、試写会で渡されたプレスシートによると、この作品はどうも30年以上前に芥川賞候補作品だった小説が原作らしい。
しかも、監督が「自分にも娘がいるので、エンディングはどうしても変えたかった」らしく、展開が違うらしい。

それがわかって、原作小説はどのようなものかと気になった私は図書館へ向かい、さっそく小説『渇水』を読んだのでした。

芥川賞って?

図書館で借りた書籍のタイトルは、「芥川賞候補傑作選 平成編1 1989-1995」というなんとも長くて、ドキュメントファイルの名前そのままのようなものです。
傑作選という言葉からわかるとおり、複数の作品が一冊にまとめられています。
一通り読んでみて「素晴らしいものもある、が、なぜこれが候補に選ばれたのかわからないと感じるものもある」という感想をもちました。

それを友人に話すと、こんな返事がありました。
「そもそも、芥川賞って誰がどうやって選ぶの?」
……そういえば、知らない。
ハイ、Bing AI。
芥川賞の候補はどうやって選ぶの?

芥川賞の候補は、

純文学の文芸誌が主催する新人賞などを受賞して、純文学雑誌に作品を載せてもらった作家の中から選ばれる。芥川賞は公募の賞ではなく、既に発表されている純文学作品の中から候補作が選ばれ、その中から受賞作品が決定する。

芥川賞の選考基準としては、

新人か否か、作品の長さやジャンルが重要。芥川賞は純文学の新人賞だが、その基準は明確に定められているわけではなく、ときには基準から外れた作品が受賞することもある。

芥川賞の選考方法としては、

大きく次の3ステップに分かれる。

  • 芥川賞を主催する日本文学振興会から委託された選考スタッフによって、候補作品が選ばれる

  • 候補作品はマスコミメディアなどにも公表される

  • 現在活躍している作家数名によって構成されている芥川賞選考委員によって、候補作品から受賞作が決定される

選考委員がどのように芥川賞を選んでいくのかは、一般的には公表されていないとのこと。
一説によると、“「○△×」の三段階評価をつけておいて、その三段階評価による投票や議論によって選ばれる”といわれています。
な、謎過ぎるし、ふんわりしてるなあ。

このふんわり感とブラックボックスな感じが理由なのか、過去には「不適切な作品に与えられた」という指摘なんかもあったんですね。
受賞作決定の透明性が問われるのは当然のことと思います。
ただ、選考基準が明らかになってしまうと「それにかなうように作品を書く」人が出てくる可能性もありますし、ワクワク感は減りますよね。
それでいうと、これはこれでいいのかも?
かも、しれない。

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