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【試写レポ】「#ソニピク謎試写」が試写会として優秀過ぎたうえ、『サーチ2』がめっちゃ良かった件【06_2023】

ごきげんよう。雨宮はなです。
Twitterソニーピクチャーズ公式さんによる試写会で、「謎試写」と名付けられた試写会…。
参加してまいりました!

今回は試写レポではなく、参加した体験と映画で感じた内容をエッセイにしました。
試写レポは別途投稿予定です。

超優秀な宣伝! 「謎試写」の可能性

今回のこの企画の発案者を尊敬する。
心からの拍手を贈る、なんならスタンディングオベーションで。
(ひとりだけど)

最初は『シング・フォー・ミー・ライル』だと思ってた。
完成披露試写会の前に何かやるんじゃない?って。
それで大泉さんに生歌でもやらせるんだろうって思ってた。
さすがにそれはないか、と思っていた矢先に『スイート・マイホーム』が自己主張を始めた。

…これじゃないか?
実は私はスニークプレビューですでに鑑賞済みだった。
やたらと「謎」とか「何か」とかそんな宣伝をしたがってたな、そういえば。
えーっ、またアレを観るの? 修正版ってこと?

もし『スイート・マイホーム』なら正直ちょっとなあ…。
あまり好みではなかったため、「謎試写」なんて名前でわくわくさせられた後で観るのは遠慮したかった。
「予測できちゃったかもしれない」なんてちょっとドヤったTwitterを投稿したあとで会場に入った。

ありがとう、とても良い裏切りでした。

字幕が画面に表示されて、早速私の予測は外れたわけだ。
まず、邦画じゃないと。
うん、よかった。観たことない作品を観られるわけね。
しかも、なんだか不穏そうだ。
「壊れたら修理してなおせばいい。そうだろ?」

ああ、これ、絶対に面白いし好きなやつだ。
割と当たる私の勘が教えてくれた。

内容については控える。
これは「ネタバレしないでくださいね」なんて言われなくても、するのはヤボってもんだ。
「謎試写」だぞ?
謎のままでいようぜ。

これはホームページも予告編も観ないで行くのが良い。
あらすじも読まない方がいい。
昨今の現代人は前情報が大好物だけど、そんなものいらないくらい丁寧につくられている。
なんなら、自分たちが普段観ている情報のスピードやテンポにものすごく近い。

「どんなことが起こるかわかってないと不安なんです」
「予想外のことやわからないことでストレスを受けたくない」
そんなやわやわお豆腐ベイビーたちも安心して。

なんなら、スマホに目をやったり、早送りした瞬間になにもわからなくなるから。

これは倍速視聴族やワカリタイナーへの挑戦状だ

ちなみに考察戦隊ドヤルンジャーは置いてきぼりだ。

すばらしく視線を釘付けにされた。
ちらとでもスマホに目をやろうものなら、文字を読み飛ばす。
シーンが変わっているかもしれない。
早送りしたらなんのドキドキも生まれない。

少し前にはやった、とにかく「どんでん返し」すればいいってものとは全く違う。
作品に浸って、時間を追うごとにわかることが増えていく。
考え方が開いていく。

「湖は女性の暗喩だ」とか「色にヒントがあるのよ」とかそんなのは関係ない。
文字と映像が全て、「見えてるものが全て」の世界で私たちが何を観させられているのか。
私たちには何が見えているのか。
等倍でわからない状態のそのままを楽しむ良作だ。

この作品の終わり方や展開を予測しながら観るのは非常に楽しい。
けれど、「ま、簡単にわかったよね」なんて言い出すのはヤボだし、カッコ悪い。
それはモテないやつのムーブだ。
「あたりだ!やったあ!」くらいの純粋な気持ちで楽しみたいものだ。

「謎」にしておくことの効果

この作品は非常に面白かった。
けど、「最初からタイトルがわかってたら動員が少なくなるかも」と思った。
宣伝担当の方もそう思ったのかもしれない。
その不安は正しいと思う。

この作品はタイトルが分かった状態で試写募集をかけたら、まるで映画ファンしか集まらないだろう。
でも、間違いなくこの作品は“普段映画を観ない人たちが楽しめる、爆発しない映画”なのだ。
ミニシアターでもない、大きなシネコンで「なんだろうね、これ」で避けられてしまうのはもったいないし悲しすぎる。
邦画、洋画すらもわからない「謎」にしておくことで広い層からの興味をひいたのだと思う。

タイトル
邦画か洋画か
ジャンル

他のどの要素もバレてはいけなかった。
関係者や先に知っていた方は口がムズムズしていたことだろう。
おめでとうございます、大成功です。

ただ、このあとに非常に不安が残るのもまた事実。

「謎」でなくなってからが踏ん張りどころ

最近、A24作品あたりからようやく日本のダサいポスターが消え始めた。
それでもまだダサい邦題や謳い文句がポスターを闊歩している。
優秀過ぎる編集さんに寄る本質無視な予告編、日本人ウケする文章を書いてくれるライターさんによる別作品給のあらすじも健在だ。
だから不安で仕方がない。

また登場人物が視線をどこかにやった集合写真ポスターなんじゃないか
また小学生に向けたような謳い文句がポスターに書かれてるんじゃないか
別作品に思えるワードを中心に予告編やあらすじが作られるんじゃないか

せっかく成功した「謎試写」。
他の宣伝材料で台無しにしないでほしいなと切実に思っている。

これはぜひスクリーンで、等倍で、スマホの電源を切って、前情報なしで観てほしい。
そして同志になろう。

「謎」の共有はとても楽しいから。
同志が増える日を心待ちにしている。

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