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隣のおじさんが残したもの


 隣のおじさんが亡くなる一年前ぐらいから、目の前小学校跡のこう校庭に紫陽花の苗木を植えました。奥様が亡くなってからおじさんは一年後に亡くなった。示し合わせたように一年後でした。たくさんの人が訪れる校庭にずらっと並んだ青紫や赤紫の紫陽花。

 今は苗木も花を咲かせて六月の梅雨を彩ります。まだ小さな紫陽花だけど、遠くから眺める校庭を囲むように縁取って色交互に咲かせている様を、おじさんは想定して植えたのかな。何を思いながら植えたのかな。隣のおじさんの家からも校庭は見えているだろうな。

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