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ハイデリンに見る、偉人の二面性

ハァ~...最高でしたね、patch6.0 暁月のフィナーレ...
初っ端の船上でのハイデリンとの語らいなど、正に最終章のスタートとして最高のものでした。これから物語がどのように展開していくのかを、予感させてくれるものでしたね。

しかしみなさん、細かいつっこみがいくつかあるのではないでしょうか。
そしてその中には、今(ラスダン直前)ハイデリンと戦うの?ここで?
というものもきっと含まれているのではと思います。

本稿では、世界の神話と近現代のファンタジー小説から、ハイデリン=ヴェーネスという古代人がどのような人物で、なぜこれから大勝負が
待っているという状況であのような行動にでたのかについて紐解いて
いきたいと思います。

他作や神話における偉人たち

ファイナルファンタジーは文字通りファンタジーなので、まずあの世界的大ヒット作であるハリー・ポッターからアルバス・ダンブルドアを紹介したいと思います。まさにハイデリンと同じように、主人公たちを最後まで導いてくれた立役者であります。
映画だけをご覧になった方は彼のことを清廉潔白な人物だと思っていることかと思いますが、原作ではキッチリと切り込んで描かれている要素として、とても戦いが好きで乱暴な一面があったというものがあります。若い頃は人間界の征服も企んでいたほどです。力あるものの禍福とでもいいましょうか、やはり持っているものは使いたくなる、人間の性でしょう。
それでも妹の死などを経て丸くなり、教職に就くと至る訳です。しかし第6作目の謎のプリンスでは、ヴォルデモートにつながるアイテムを私欲のために使ってしまい、結果死に至る呪いを受けてしまうという...
ハリーポッターが世界中で愛される理由は、単に勇気や愛だけを語るのでなく、このような人間らしさ、強さと弱さをしっかりと描いたところにあると思います。

また神話に目を向けてみると、やはりFF14に深く関係するところではギリシャ神話のハーデース(冥府の神)でしょう。

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実はハーデースには慈愛の二面性があったというのは、神話でも語れるところです。自分のせいで理不尽に死んだペロプスを復活させたり、同じく死んだレウケーという人物を花にしたりと、基本的には慈しみにあふれているのです。ちなみに”冥界”というのは世界の統治権をくじ引きで決めたせいで、なし崩し的に配されたにすぎません...(笑)

そしてこれらを踏まえたうえで更にいえば、多くの人がご存知の通り、エメトセルクも「厭だ、厭だ」という割りにガッツリと主人公たちを助けてくれるあたり、彼も厳しさと優しさの二面性があり、それらはしっかりと作中で描かれていました。

ハイデリン=ヴェーネスの人物像

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ハイデリンは5.Xまでは徹底した善人、それこそ普通の人が思うところのダンブルドアの人物像と全く一致していたのではと思います。しかし船上での語らいで、意外と冷的ともとれる強かさをもっていることを認識させられるのです。そしてそれは、ついにエルピスにて彼女のオリジナル=ヴェーネスに邂逅することで確信へと変わっていきます。

ここで彼女を神話的に分解しようと思います。
まず神話における神というのは、異なる神話間において共通の認識をしている神Aがいて、そのAが各神話間で呼び名が異なる存在のことを指します。
例えばゼウスはギリシア神話の最高神であり、ローマ神話ではユピテルと呼ばれます。ちなみにユピテルの英読みはジュピターです。神話には耳馴染みのある言葉がいっぱいでてきますね。

閑話休題、ヴェーネス(英:venat)はヴィーナス(英:venus)を文字っており(或いはラテン語的解釈)、ご存知のとおり金星のことであり、また以下の体系をとっております。
バビロニア神話:イシュタル(ishtar)、金星を象徴した愛と美と戦闘の女神
ローマ神話:ウェヌス(venus)、金星を象徴(ry、明けの明星

要するに愛と美、そして戦いの神でもあるということです。ここですね。
彼女を知る古代人を以てして根無し草の風来坊(誇張しました)と言わしめ、アゼムの座に就くものはヴェーネスの後任しかり、そういった者が多いのでしょう。お悩み相談係(エメトセルク談)...うまくいったものですね。

総論

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「それで、結局どういうことなの?」ということなのですが
あの戦いは腕試しかつ自分が破れても自分に代わって巨悪を討ちうる光の戦士という存在を傘に着た最後のわがままだったのだと思います。
普通であれば最後の自身のエーテルも宇宙航行用のエネルギーにすればいいものの戦闘にまわすなどというのは、ハイデリンと戦うという物語上必然ともいえる都合を考慮にいれても些か分が悪く不自然です。
そこにFF14のストーリーとファンタジーとしての体裁と王道をうまく織り交ぜて落とし込んだ訳です。
皆の良き隣人ハイデリンとして...という思いがなかったという訳はないですが、古代人ヴェーネスとしても一個を終えたいという願いがきっとあったのでしょう。なので全身全霊を以て武による語り合いを申し込んできたのでしょう。暁月では、生きる理由というより死んでもいいと思える理由についてスポットが当たっておりましたし、そういったセリフも実際ありましたよね。
光の戦士が終末を終わらせるに十分な存在であると確信したからこそ、最後のわがままを決行したんだと思います。人間的で非論理的で、彼女を大好きになった行動でした。

ダンブルドアも、ヴォルデモートを討ち魔法界に安寧をもたらすという体裁を表には出しつつ、妹を蘇らせるためにハリーを使って蘇りの石を探していたことを公言しています。

風の谷のナウシカもそうですよね。草木を愛でる優しさとともに、殺人を愉しむ嵐のような激しい一面をもっています。

ハイデリン=ヴェーネスもそんな大作のキャラらしい実にファンタジーした性格の持ち主だったんだなと思いました。巷では「ゴリラ」とも呼称されてれいるようですが(笑)

さていかがだったでしょうか。つい昨日ストーリーを終え、興奮冷めぬまま筆をとりましたが、余り長文になっても冗長かなと思い最低限の部分で執筆した次第です。ここまでありがとうございました。また気が向いたら、編集や新しい記事を書きたいと思います。

余談

ちなみにヘルメスはマーキュリー、水星のことであり神話上の立ち位置は「死の旅路の案内者」です。なんとも、因果な名前ですね。

また惑星の太陽との位置関係ですが、太陽(アゼム)ー水星(ヘルメス)ー金星(ヴェーネス)ー地球(アーテリス)ですよね。これにはなにか意味があるのか...はたまた。考察は尽きません。

さらにエルピスの例の場所、日本語では「異土の庭」ですが、英語だと「the  cthonic horns」。cthonicはソニックのことですが、神話的にはクトニオスという人物のことを指し、4名ほどその名を冠する存在があります。クトニオス自体は「地下、大地の」という意味ですが、しかし注目すべきは、ハーデスのことを「ゼウス・クトニオス」と呼ぶ点です。「地下の神」ということですね。それはいいですが、あそこには林檎があり、どちらかというとヘルメス由来の地名であるべきだと思うのですが、果たしてこちらも一体どういう意図なのか...

草々不一

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