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第九十一夜 『ワイルドスピード』

短所と長所はまさに一長一短であり、ある種『個性』と言える。
株式会社アメリを一年近く経営してきてその『個性』を把握してきた。

それは短所で言うと速度感と言われ、長所で言うと堅実さとされる。
顧客が着実に増えており、案件も用意できた。商品を用意した。そこまで準備しても引き渡しが遅れるなんてことは多々ある。

「11月開始時点では数字は足りていたのに、代表が言っていたことが今になって理解できました。」

従業員のSと12月の半ばに四半期の話をしていた際に、こんな発言があった。
確かに、11月で新たな四半期が始まる際に、営業利益の見込みは四半期目標を超えるほど準備ができていたのである。

しかし、私は営業部に再三伝えた。
「これでは足りない。新規案件を取り込んでください。」

この時の私は、決して失注を意識していたわけではない。失注率の低さはアメリの強みでもあるからだ。
それよりも注意深く計算していたのは期間、つまり時間である。

当時提出された見込みリストのほとんどはきちんと進んでいる。しかし、進捗はあるものの、その引渡しまでの速度が追いついていないのである。

そして、その引渡しはこちら側からの動きで早まるものはほとんどない、商品や金融機関、お客様の事情等によるものがほとんどである。

結果、1月までの着地の数字に関しては現状ショートしており、2月以降の数字へと変遷していっているのだ。

この引渡しまでの速度感をどのように上げていくのか。これは今後の大きな課題である。

お客様が我々の紹介する商品を心待ちにしている以上、今以上の速度感を出す必要がある。不足分売上をどう補填していくか、まだ1月までの時間は残されている。私はそれを埋める作業を経営と同時に行なっていくだけだ。

異常な速度感が求められる。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を

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