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配当金を逃さない!米国株投資で賢く配当を得る方法

米国株の配当が魅力的なのは、わかった。じゃ、『配当はいつ、どのタイミングで貰えるの?』そんな疑問にお答えします。

多くの米国企業は「年に4回・四半期ごと(3ヶ月ごと)」に配当金を支払います。例えば、配当王P&G(68年連続増配)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の場合、2023年には2月、5月、8月、11月に配当金が支払われました。

日本企業が年に1~2回の配当を行うのに対し、米国企業は年に4回の配当を行うことが多く、これが日本株との大きな違いです。米国株の配当金の支払い時期に注目しながら投資を行うことで、定期的な収入を得ることが可能です。

「米国株に投資してみたい」
「いつ配当がもらえるのか知りたい」
という方におすすめの内容です。
このnoteを読めば、米国株の知識や経験がない初心者の方でも、配当金について具体的に理解することができます。肩の力を抜いて、リラックスして読み進めて下さい。


 米国株の配当は投資してから1カ月後

P&Gの2024年、3回目の配当は8/15に支払い

ズバリ、直近のP&Gの配当を参考に、実際の入金までの流れを見ていきましょう。

Declare Date(宣言日): 2024年7月9日 - <配当の金額や支払い日が発表>

  • (権利付き売買最終日:2024年7月18日)

  • Ex-Dividend Date(権利落ち日,権利確定日): 2024年7月19日

  • Record Date(基準日): 2024年7月20日

  • Payout Date(支払日): 2024年8月15日

注意点は

  • 権利落ち日(Ex-Dividend Date)の前日である2024年7月18日までにP&Gの株式を購入し、保有。

  • これにより、2024年7月20日の基準日に株主名簿に登録され、その期の配当を受け取る権利を得ることができます。

  • もし7月19日(権利落ち日)以降に株式を購入した場合、その取引は基準日に間に合わないため、8月15日の配当を受け取ることはできません。

したがって、2024年8月15日の配当を受け取るためには、2024年7月18日までにP&Gの株を購入する必要があります。

そして実際に自分の取引している証券口座に、配当が入金されるのは、8/15の翌週の21〜23日くらいが目安になります。

このnoteを書いているのが、7/11ですので、仮に昨日のP&Gの終値166.80ドルで10株購入したとすると、270,000円ほど。1.0065ドル配当(1,600円くらい)が、8/21前後に入金されることになります。

参考までに、P&Gの7月配当前3回の、スケジュール。

  1. 2024年4月18日の配当(1.0065ドル)

    • 宣言日:4月9日

    • 権利付き最終日:4月17日

    • 権利落ち日(権利確定日):4月18日

    • 基準日:4月19日

    • 配当支払日:5月15日

  2. 2024年1月18日の配当(0.941ドル)

    • 宣言日:1月9日

    • 権利付き最終日:1月17日

    • 権利落ち日(権利確定日):1月18日

    • 基準日:1月19日

    • 配当支払日:2月15日

  3. 2023年10月19日の配当(0.941ドル)

    • 宣言日:10月10日

    • 権利付き最終売買日:10月18日

    • 権利確定日(権利落ち日):10月19日

    • 基準日:10月20日

    • 配当支払日:11月15日

配当の時期を大まかにおさえておく

サイトからの確認法

『配当を支払います』という宣言は、各企業サイトに、インフォメーションやプレスリリース などのニュースを発信するページがありますので、そちらで確認するのが良いです。また、Seeking Alphaのようなサイトで、

ティッカー・シンボルを打ち込んで→Dividend History(過去の配当)などから宣言日(Declare Date)をチェックし、直近の宣言日にあたりをつけ、その上で、各企業のIR等やインフォメーション、ニュースを調べてみるというやり方も考えられます。

四半期決算が重要

せっかくですので、『米国企業の四半期決算』の仕組みについてもみていきましょう!四半期決算とは、1年を3ヶ月ごとの4期に分けて、3ヶ月ごと決算を行うことです。

例えば、前述のP&G、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)であれば、1年を通して行う本決算が6月に行われ、四半期決算が9月・12月・3月・6月になります。

P&G

4-6月の決算を終え、この期間の業績が7月30日(7/2プレスリリースあり)に発表されますが、7月9日に配当を行う宣言、そして支払いまでのスケジュールが発表になります。一連の流れを整理しますと、

7月2日:7/30に<4-6月の業績を発表します>

7月9日:<配当を出します>

7月18日:権利付き最終日
-*最終(売買)日については特に、言及されていませんので注意してください。

7月19日:権利落ち日(権利確定日)

7月20日:基準日

8月15日:配当支払日→翌週には口座入金

*繰り返しになりますが、権利落ち日の前日というのを忘れずに。

いろいろなパターンがある

米国企業の決算月で最も多いのは12月。その理由として以下の点が挙げられます。

  1. カレンダー年と一致: 多くの企業が1月1日から12月31日までのカレンダー年を会計年度として採用。最もシンプルで一般的です。

  2. 税務上の利点: 米国の税制度はカレンダー年を基準としているため、12月決算を採用することで税務申告が簡素化されます。

  3. 比較の容易さ: 多くの企業が12月決算を採用していることで、企業間の財務比較が容易になります。

  4. 簡便性: 個人事業主や一部の法人形態の規定により、カレンダー年での会計が求められています。

ただし、業種や事業サイクルによっては、他の月を決算月として選択する企業もあります。

  • 小売業: 1月31日(年末商戦後)

  • テクノロジー企業: 6月30日(上半期の売上が強い傾向)

  • 政府関連企業: 9月30日(米国政府の会計年度に合わせて)

一部の企業は独自のビジネスサイクルに基づいて異なる決算月を選択しています。アップルは9月で、マイクロソフトは6月といったような。彼らは、事業の特性に合わせて最適な決算月を選択、自社のビジネス運営上の理由から異なる決算月を選んでいると言えます。それでも、

米国の場合は60%以上が12月(本決算)に集中しているようです。(日本企業の場合、3月本決算が全体の半分程度)

米国で重要なのは四半期決算

日米両国の四半期決算に対する考え方にはいくつかの違いがあり、それぞれの市場や規制、文化的背景が影響していると言われています。

米国は短期的な業績向上を重視?

米国企業は、証券取引委員会(SEC)の規制により四半期ごとに決算報告を行うことが義務付けられています。投資家は企業の業績を定期的に確認し、投資判断とすることができます。

四半期ごとの10-Q報告書には、収益、費用、キャッシュフロー、経営者のコメントなどが詳細に記載されています。

市場の期待


米国株式市場はしばしば短期的な業績に重きを置きます。投資家やアナリストは四半期ごとの業績を元に企業の評価を行い、その結果、株価が大きく変動することも少なからずあります。また経営陣は、四半期ごとの目標達成や予測に対するプレッシャーの中でビジネス運営に携わっているため、短期的な業績向上を重視する傾向を指摘されることもあります。

日本の四半期決算

日本でも、上場企業には四半期決算報告が2008年から法制化。2011年には簡素化実施され、2017年には東証が、決算短信、四半期決算短信の簡素化を公表しています。

日本の四半期報告書は、アメリカの10-Qほど詳細ではありませんが、基本的な業績情報や財務状態を提供。日本の投資家や企業は、一般的に長期的な視点を持つ傾向があり、四半期業績も注目されますが、企業の中長期的な成長戦略やビジョンにポイントをおいていると思います。

日本の経営陣は、米国ほど四半期ごとの業績に対するプレッシャーを感じることは少ない?と言われていますが、安定性や持続可能性を重視している国民性が関係していると考えられます。

配当のタイミングについては、四半期決算の区切り自体が共通しているケースが多いので、3月、6月、9月、12月を終えたそれぞれの翌月に、気になる企業の、IRやプレスリリース、インフォメーション等の確認することをお勧めします。その上で、宣言日、権利落ち日などを確認し、情報収集をしてください。

〇〇年の〇〇四半期を確認

そういうものだと慣れるまでは、何年の何番目の決算なのか注意しておくのが良いでしょう。

一番多い、12月決算。コカ・コーラの例。カレンダーどおりですので、わかりやすいと思います。

コカ・コーラ

9月決算です。区切りは一緒ですが、わかりにくい時があります。

アップル

そして、1月決算。混乱しやすい、決算月ですが最近話題の、エヌビディアがそうです。

エヌビディア

次の1月は2025年、5-7月は2025年1月を通期とする、7月末までの決算となり、2回目の第2四半期決算2025年となります。表記は、Second Quarter FY25 Financial Results。<FY2025(Fiscal Year )2025>。私も、2024年の間違いではないかと何度か慌てたことがあります。国内証券会社のレポートには
2025/1期,Q2(5-7月)と書かれていたりします。

まとめ

最初が肝心

米国企業の配当を1年間、年率で考えるためにも、最初が肝心です。一度投資、購入してしまえば、あとはほったらかしで大丈夫。定期的に入ってくる配当を確認するだけで良いのです。慣れてくれば、買い増しするのも良し、違う時期の企業株を組み合わせるのも良しです。

投資して1カ月後が目安

日本株の場合、権利落ち日から配当金が入金されるまでに2~3ヶ月かかります。一方、米国株は権利落ち日からおおよそ1ヶ月程度で入金されるため、米国株の方が入金までの期間が短いという、魅力があります。

米国企業は、日本のように、株主優待制度で割引があったり、商品が送られてくることはありませんが、年4回の配当が定期的にしかも、配当を継続してくれる可能性を期待できる企業が数多く存在しています。世界経済が成長していく過程では、ビジネスチャンスを最大限に利用する機会を持っている企業ばかりです。

株価の値上がりだけでなく、配当という安定も兼ね備えた、米国企業は、新NISAがスタートしたばかりの日本人の運用対象として、欠かせない存在と言えるのではないでしょうか?

最後に、私が、米国株の配当に注目するきっかけなった書籍の一節をご紹介します。

『・・米国企業には連続配当への強いこだわりがある。年次報告書には何年連続配当(増配とまでいかなくても)の文字が誇らしげに踊る。企業が深刻な経営不振に陥り普通配当を停止することにでもなれば、それが忘れさられるまでには、また投資家が確実な投資商品として株式に寄せている信頼を回復するのに、長い年月が必要となる。"米国では配当は聖域なのだ。"
企業は減配や配当中止を避けるためなら、ほとんど、どんなことでもするだろう。』

-『ダウの犬投資法プロにも勝つ「単純戦略」』(マイケル・B・オヒギンズ)より

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ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。



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