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【架空文通】津島さんのお手紙に対する返事(小説の中に返事、文通億劫化、いい思い出、やってみたい事)

津島さんへ

 お元気ですか。今回も、短編小説仕立てにして、中に返事を織り込みますね。

編集担当「こんにちはあ、ちょっと様子を見に来ましたよ。」
店のバイト「あ、社長はちょっと買い物に出かけていますよ。すぐ戻ってくると思いますけど。」
編「じゃあ、待ちますね。最近、なんか面白い事ありましたか。」
バ「うーん、あ、社長宛に来た手紙で、字が細かい人のがあるんですけど、その内容が面白かったかな。」
編「へえ、見せてくれたんですか。」
バ「いや、返事を書いておくの任されているので。」
編「うわー、彼、そんな忙しくないでしょうに、まったく。で、どんなことが書いてあったのですか。」
バ「なんか、最近、返事を書くのが億劫になってきているそうです。」
編「あー、それ、ある。文通ネタに困ってくるんだよね。何を書こうかなって。でもさ、毎日生きているんだから、あったことを書くだけで相手には役に立つんだよね。安心するとか、気づくとか。」
バ「そうそう、みんな同じだなあ、とかね。温泉の卓球みたいに打ち返しているだけでいいんだよね。」

編「じゃあさ、その人には書いてほしいことを挙げておいたら、楽になるんじゃないかな。」
バ「リクエストあると楽だよね、料理とかでもそうだもんね。何かいてもらおうか。」
編「いい思い出ベストスリーとか、これからやってみたい事ベストスリー。」
バ「過去か未来についてですか。どんなのありますか。」
編「いい思い出は、小四の時、両思いだったことが判明した瞬間とか。やりたいことは、アメリカでキャンピングカーを使ってビーチとか荒野を巡る事。どんなのありますか。」
バ「私は、小二の時、友達と簡単な小屋を作って、夕立をしのいだ時かな。やりたいことは、スカイダイビング。」
編「あー、それやってみたい。地面が近づいてくるってどんなんだろうね。」

社長「ただいまあ。あれ、きてたの。」
バ「いい思い出と、やりたいことを言ってください。」
社「え、な、あ、うーんと、二十六歳の時に起業して、お客から代金を初めてもらったとき。」
編「意外にまともですね。で、やりたいことは。」
社「やりたいことは、海の見える旅館に長期滞在して小説を書いて、そこの女将とねんごろになっちゃったり、浜で仕事をしているうら若い女性と恋に落ちちゃったり、ですかね。」
バ「この人は変わらないんだなあ。」
編「ロマンチストなんですね。」

またね