【ネタバレ】Switch版Cresteajuを語りたい バイツ〜蜃気楼の塔

Switchクレスのざっくりした感想(バイツ〜蜃気楼の塔まで)です。
ネタバレあり、箇条書きスタイルです。
※PC版はプレイ済みなので、PC版のストーリーを全て知った上で改めて感じたこと、考察したことです。Switchでの追加要素は初見です。

◆バイツ

・山の精神体を統べる者と対話。
記憶の遺跡から襲ってくる精神体たち、自分は前まで、かつてクレスティーユが撃退した侵略兵たちの魂かと思ってた。これも他の方の考察を読んでなるほどと理解。ルナンが知らないこと、そしてツーリアの牢屋でフォールンが話してた「貴重な精神体」とも関係する話だ。もし考察を読んでいなければ今も気づけなかったのかな……伏線の散りばめ方が巧み過ぎて、繋がる点と点を全て見つけきれない。それにちょっと悔しくなるw
統べる者は「クレスティーユに罪はない、知らぬなら知らぬままが良い」と。優しい方だな。ルナンは気になるだろうけど……そのうち知ることになる。

・グラウンドシップに戻ると、ルナンとディザが口論。ここは少し辛い場面なので見る前に少し緊張した。けど緊張のおかげで逆に冷静に見られた。
これはね……どちらが悪いという話ではなく、立場や視点の違いで起きた仕方のないもの。
ルナンとしては、かつて同じ部屋で暮らした唯一の理解者で、優しい姿を知っているから、出来るだけ戦わなくて済む可能性を信じたかった。
けどディザからすれば、それで親の死がチャラにはならない。話し合いでわかる相手なら誰も殺される必要はないし、今更それで済んだらずっと必死に追いかけてたのが馬鹿みたいだ。ディザ的には、自分の旅の理由そのものを否定された気分になったのかも……
強いて言うならルナンはそこへの思慮が足りなかったんだね。それをすぐに自覚できた。クレイシヴに対してそれぞれの思いがあったから、ここじゃなかったとしてもいずれどこかでぶつかる。なら早くて良かったと思う。
「ディザさんだってルナンさんのことはわかってますよ」、ああーもうサヴィアーほんと好き。もっと喋って。もっとルナンに話しかけて(?)

◆シルバースター

武装したエターナルが訪れたという話だが、何か妙。話を聞くと、銀を要求してきたと。
シルバーリングというモノの存在が物語に出てきたので、“銀”と聞いてそれが思い浮かばないわけはない。ただ、それがどう繋がるかがこの時点ではまだわからない。
・住民の一人に話しかけたら「銀には心が宿るといいます」。うわ~~~~しっかり伏線! すごい!

・そこからグラウンドシップに戻り、みんなの座る位置を見て気づいた……ルナンとディザが口論した時とみんなほとんど一緒だけど、丸い机で向かい合うディザとナックの位置が逆になってた。ディザはルナンから離れた場所へ……。
これは偶然? それとも“やってる”? 自分は、やってると思う………

◆サンピアス

ここのイベント、とてつもなく濃厚だった……単にユミの母の墓参りだったのが、花が供えられているのを見たユミは走り出す。追いついた先にはクレイシヴ。

・ユミとクレイシヴの戦闘での声が素晴らしすぎた……ユミの一言一言に滲み出る感情がリアルすぎる。
「アージェ、それを狙っているんでしょう?」冷静に慎重に確かめる声、「やっぱり……」予感的中の声、そこから「もうやめて!!」への感情を爆発させた叫び……「せめて、母さんの横で眠らせてあげるわ」父を葬る覚悟と、最低限の愛情……想像もできないほど色んな感情。みんなの前で見せるユミ姉貴の姿とは全く違う。
もうありがとうございます。芸術です。素晴らしすぎます。ここだけ聞くためにロードし直して4回くらいみました。テレビアニメ化決定。吹き込んでくれた声優の皆さん、リメイク化を遂行してくれた皆さん、本当に感謝です。
一方クレイシヴも思ったより声に落ち着きがないというか、ほんの少し張り気味に聞こえた。目的を当てられてわずかに焦ったのか? 感情が声に表れる人物には思えなかったが。

・娘も容赦なく傷つけるクレイシヴ。やられたユミを見てディザが崖下に駆け寄りに行く。ユミが大嫌いでも私情を切り離して行動できる逞しさ。もうクレイシヴによって誰かが殺される光景は見たくなかっただろうし……そしてクレイシヴが去ってからも、追うことよりユミを助けるのを優先。ディザも確実に変わっている……
・「あなたはもう、クレイシヴじゃない」。ルナンはクレイシヴと戦う決意を示す。この時、画面はルナンではなく聞いているクレイシヴのほうを映しているのが印象的だった。
堂々と宣戦布告をしたルナンはもちろん、されたクレイシヴの中でも「いいや、誰を敵に回そうとも必ず私が目的を達成する」という強い意志を胸の中にふつふつ燃やしていたのかな。常に無表情で冷淡に見えるが、彼の目的はよほど強い意志、狂気的なほどの執念がなければ成しえないこと。まあ、意志の強さを通り越して悟りの境地に入ってそうだけど。

・グラウンドシップに戻り、ユミはクレイシヴが父であることを明かす。「自分から言うことでもない」というか、言い出せなかったんじゃないかな。私はみんなが敵対している男の、娘ですなんて……
ここに来るまでで何度も意味深なことを言いかけてた。「人なんて、時が過ぎれば変わるものよ」とも言ったけど、実のところ人を変えるのは“時”ではなく“事”だってのは、ユミが一番知っている。
・そしてクレイシヴの過去(装置で目覚めてから)を話してくれる。
フィルガルト時代、戦うために生まれ、それすらも認められるに足らなかった。そんな彼にも愛する人に出会い、子供ができ、家族という居場所ができた。
その幸せな日々を、盗賊団と村人に奪われた(前まで、盗賊が要求した“母”とは村人みんなの家庭の母親たちのことだと思ってたけど、ユミの母親を直接名指ししてきたって解釈でいいよね……?)
盗賊団へ乗り込み、妻の死を目の当たりにした時……出したくなかった力を出すと同時に、フィルガルト時代の記憶、自分の存在価値、宿命……どれほどのものが蘇ってきたのか。憎悪に囚われ、やがて戻れなくなってしまったんだろう。
わざわざ墓に花を添えに来るほど妻への愛があった。生まれて初めて人の温もりを感じさせてくれた人かな。「愛ほど危険な代物はない」という言葉を聞いたことがあるけど、まさにクレイシヴの狂気は、元をたどれば失った悲しみであり、その源は愛だった……のかも。
重症の中、暗い過去を話してくれたユミに感謝です。

・今クレイシヴはアージェを探しているのがわかった。が、エターナルを乗っ取った理由はまだ不明。埋まったピースと埋まらないピースが混在している状態。
今の彼は失うものがない、いわば“無敵の人”状態。どうせ時を戻して世界をリセットするのだから、いま誰を殺して何を奪おうが関係ないだろ?という感覚なのか……
ディザは改めてルナンに「戦いたくないならいい。俺たちがやる」。ルナンは間を置いて「私、戦うわ」。クレイシヴの過去を聞いた上で示す決意。
このサンピアスのイベントは、戦うべき敵の詳細の確認であり、それでも戦うべきかという再確認。本っ当に濃厚だ……

◆大クレーター

ボスのルビードラゴンを倒し(やたら苦戦した)、奥の部屋で精神体からフィルガルト滅亡の真実を伝えられる。
要約すると、
・アージェ完成を知った四国が、アージェを破壊しにフィルガルトへ攻め込んできた。
・フィルガルトはアージェを使うことなく敗れた。使うことを恐れたから。
・四国はアージェとイリ―ディアを破壊しようとしたが、アージェの恐ろしさを知り、破壊できなかった。
・そしてこれらを歴史から消し去ろうとした。それが“神聖なる裁き”。
・残った四国も自らの利益を争い、みんな滅びた。

アージェを作った自分たちですら結局使うことができず、そして侵略者たちも破壊することができなかった。そして「こんなの後世に残すべきじゃない……」と判断したらしい。アージェは人々にそう思わせるほどのモノだったと。
より強い力を持とうとして作り出したクレスティーユとアージェ(神の両手)、そのどちらも自分たちには扱いきれず(人には重すぎた)、戦いに対抗できず(災いの渦が流れ込む)、その存在すら無かったことにされた(神聖なる裁き)。
これがフィルガルトおよび五つの国の史実。人間の欲がもたらした実にリアルで残酷な物語。フェイマル遺跡でサヴィアーが言った「自らに相応しくない力を持っても、それは自らを滅ぼすだけ」の権化だった。

これは自分たち現実の世界にも何か通ずるものがあるような。
例えば人工知能だって、人間が生み出したものだけど、やがて人間社会を支配するんじゃないかとか、そんな議論が出たりもする。
それが仮に“ちぎりとった神の両手”だとしたら、それは自分たちに重すぎないかどうか、というテーマになるんだよね……?
より危険なもので言えば核兵器とか……実際、その危険性から、誰も使わずにずっと保持したままだし。でも歴史からは消えてない。
アージェは歴史から消えた。つまりアージェは核兵器よりも危険……?
まぁ、自分のような不勉強な人間がこのようなテーマに安易に踏み込むべきじゃないけど、Cresteajuのストーリーはこうして現実世界に当てはめて考えてもいいほど、重厚なメッセージ性を孕んだ作品だと思うのよな……。

◆蜃気楼の塔

・塔に入る前、ディザが先日の口論について謝ってくる。ルナンも謝るタイミングを探ってたと思うけど、ディザが先だった。「悪かった……違うな、ごめん」。言葉を言い直すあたりに誠実さが表れる。
でもルナンにも謝意があることをナックがどこかでディザに伝えてくれてただろうね。
その後、ルナンが「自分の幸せってなんなのかわからない」という話。クレスフィールドにいた頃も、広い世界を見たいと思ったことがあるらしい。で、見た今でもわからないのだそうな……
みんなといる時間が幸せ……とはまだ言えない感じかな。目的ありきの大変な旅だし、旅が日常だからってのもあるのかな。「日常が幸せ」って思えるのはある意味難しいことだからなぁ。
「そうやって迷うやつがフラっとエターナルに行くんだろうな」「ディザ達がいなかったら私もそうだったかも」「それはお互い様だぜ」
んも~毎回なんてイイのだろう。きっと奇跡的な出会いなんだよねみんな……先に塔へ入ったナックとサヴィアーは何の話してたのかな。

・遺跡の途中の謎解きも「時」がテーマになってるの好き。
・最上階、高機能の魔導球を発見。あっちにあれが見える~あれも見える~ってはしゃいでるみんなが愛おしい。オイルレイクまで見えるって相当高そうだな。
パネルぶっ叩いたら偶然アージェの情報に繋がるディザの運命力よ。「斜め45度で叩いてください」「おう!」も好き。連携やめいw
サヴィアーが海の向こうを見て「千年間、外の世界との交流はほとんどありません。どうなっているんでしょうか」と。確かに気にしたことなかった……フィルガルトが滅びて文明は後退したはずだから、外国とめっちゃ差が開いてたり……いやみんな滅びたからみんな一緒?

クレイシヴはイリ―ディアの場所を知っているのに行かない=イリ―ディアに行けない、ってことに気づく。そして今までの行動はイリ―ディアに行くためのもの。
クレイシヴの考えが徐々にわかってくる。
「私たちにできることは、クレイシヴを止めるか、アージェの破壊、の二択」。
トゥルーエンドなるものが気になるんだけど、アージェの破壊がそれか……?


次は温泉から



Cresteaju


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