霜が降り立つ朝。車が結晶模様だった。綺麗。
秋らしからぬ初夏の様な陽気に、赤いセーターを着た私は、腕まくりをしつつ歩く。私と同じ赤く染っている葉の美しさを横目に歩けば、何やら胸を張って歩ける気がするのです。 今心は物悲しくあろうと、秋の優しさに救われる気がしています。
雨の日は猫と一緒に窓の外を見るのが好きだった。 庭にはおじいちゃんが植えた草花。 雨に打たれて揺れる葉。夏の緑に息づいた木々。 パタパタと打ち付ける雨とところどころに出来た大きな水溜まりの波紋。 たまにレインコートを来て飛び出すと、固いビニールにあたる雨音は心地よくて。