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夏のイギリス旅 2024 (3) ダンケルドからルイス島へ

この日の夜はダンケルドの街から少し離れたB&Bに泊まったので、朝にはスコティッシュ・ブレックファストが出された。イングリッシュ・ブレックファストと変わりがないようだけど、お皿にブラックプディングとタティースコーンが加わっている!

真ん中の黒い丸いものがブラックプディング、右奥の丸いものがタティースコーン


ブラックプディングは豚の血にオーツ麦やハーブ、スパイスを混ぜ合わせたソーセージ。タティースコーンは、つまりマッシュポテトに小麦粉を混ぜて焼いた素朴なお焼き、モチッとした食感でバターを塗ったりすると美味しい。プディングというと甘いものを想像して、スコーンというとクリームやジャムをのせて紅茶と、、、、と思ってしまうけれど、食べ物の名前は材料や作り方、また風土・習慣がからみあって生まれてきたものだから、、、、思い込みで食べていると、びっくりする味に出会う。

さぁ、しっかり腹ごしらえをしたので出発。ベン・マクドゥイ山の麓をめぐる9号線をひた走り、ハイランドの都、インヴァネスを経由してアラプールの港に向かう。

1934年、エドウィン・ミュアは、おんぼろ車でスコットランドを旅して紀行文を残している。

「カーヴを曲がり、アラプールの町の白い壁や黒い屋根が急に現れたとき、私は本当にびっくりした。自分の走ってきた雨と緑の世界とはまったく異質の空間に見えたからである。町はまるで木陰のあずま屋に掛けられた木版画のように見えた。到着したアラプールは気持ちの良い小さな町だった。」

もうミュアが訪れたのは90年前のことだから、町の景色もずいぶん変わっただろうけど、いまもアラプールは小さな美しい佇まいをしていた。

港に来たのは、フェリーに乗るため、目的地はヘブリディーズ諸島のひとつ、ルイス島。
夏のバカンスなのか、フェリーの中は子ども連れの家族も多く、テーブルに持参したタッパーをいっぱい並べてサンドイッチを作ったりして賑わっている。双眼鏡で、海を眺めている人たちがいるので沖の方を見ると、イルカ?らしきものが数頭、泳いでいる。もう北極圏にも近い北の海なのだ。

アラプールから3時間ほどで、ルイス島の港、ストノーウェイに到着。
まずはなにか食事をと店を探すが、お店はあってもどこも閉まっている。イギリスのどこの町にもある大手スーパーのテスコですら閉まっている。この日は日曜日、安息日だからかな、ルイス島はプロテスタント派の人が多く安息日を守って暮らしているらしいのだが、、、と路地裏をぐるぐる歩いていると、開いているパブを発見!
車なので、ビールはグッとがまんをしてバンガー&マッシュを注文。グレービーソースの海にソーセージが浸かり、マッシュポテトが岸壁のようだ。

バンガー&マッシュ
子供たちがチェスをしていた


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