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『太陽の雫』〜CLOCKWISE / b-flower

「生きてる意味なんて もう 
考えることに 意味がない 
暮らしていこう 時を止めずに 
何度も サヨナラの手を振って」

1996/3/27発売 b-flower の 5thアルバム『CLOCKWISE』ラスト12曲目

アルバム発売前に 1995/9/6 シングルCDで発売されています。カップリングは『YEAH!』

このジャケットはインパクトがあります。(誰の発案でしょうか…)
赤い液体を被っているのは八野英史さん。プロモーションビデオにも少しだけ写っています。

このビデオに関しては、以前に『b-flower関連の動画』にて記事を上げています。

2016/10/26発売のベストアルバムのDisc2の1曲目にも収録されています。


この曲に関しては「深い思い入れがある」と以前書きましたが、
同時に当時の真っ暗な心も思い出さなくてはいけなくて、ずっと躊躇していました。
ただ、この出来事がなければ 30年以上ずっと
b-flower のファンでいなかったかもしれない、
と思えるので、此処に書き記したかったのです。

1995年は、様々な天災や事件が起こりましたが、私にとっても暗黒の年でした。

身動きが取れず、全てを捨てて逃げる事も出来ず
「明日このまま眼が覚めなければいいのに」
「どうすれば 誰にも迷惑をかけずに、この世から居なくなれるのか」
を毎晩眠れずに考える日々。

b-flowerは4thアルバム『GROCERY ANDROMEDA』を1995/2/22に発売し、4月位にツアーをしていたと思います。
その東京のライブに行ったと思うのですが、
実は全く内容を憶えていません。(ゴメンナサイ…)
b-flowerはその頃、レコ発ライブでもサイン会等は行わず、スタッフのみがCDの販売をしていました。(後日、CDショップでのサイン会は時々あったと思います)

私はいつもスタッフの方に 八野さん宛の手紙を託していました。
前述の通り、真っ暗な心の私は、手紙に いつもの観た映画や本等の話題の後に、ネガティブな言葉を つい書いてしまいました。多分
「生きていく事が とても辛い」
「この手紙は 本当に八野くんへ届いているのかな…」
という不安を煽る様な内容。
ほんと今思い返すと、最低なファンです。
本来なら新しいアルバムの感想や、励みになる言葉を書くべきのファンレターに、
私は家族にも友人にも言っていない本当の自分の胸の内を 綴っていたのです。(ありえない…)
ライブに来るのも、手紙を書くのも、これが最期になるのかな、という思いもありました。

そんなある日、ラウル・デュフィの絵葉書が届きました。
八野英史さんからの 初めてのお返事でした。

「…手紙は いつも楽しく読んでいます。
『ギターは もう聞こえない』は まだ観ていないけれど、『リアリティ・バイツ』を今度観に行こうと思っています。
またライブに来て下さい…」
という内容だったと思います。

(※『ギターは もう聞こえない』はフィリップ・ガレル監督が、元妻:ヴェルベット・アンダーグラウンドの歌姫 ニコとの想い出を描いたフランス映画 ※)

ほんと夢みたいでした。
真っ黒だった心に 陽が射して来た様に感じて、
絵葉書を持ったまま、暫く涙を止めることが出来ませんでした。

その頃(1995年4月〜) 八野さんは FM京都αステーションにて『Magical Stream Friday』の
パーソナリティを務めていました。
神奈川に住んでいた私は、当時の私設ファンクラブを通じて知り合った京都の女子高生に、
番組を録音したカセットテープを送って貰っていました。(彼女にも とても感謝しています)
絵葉書が届いた2週間位後の収録を聴いていた時の事です。

「今日は岡部くんがゲストに来てくれたので、出来たての新曲を演奏します」
と突然二人でギターを弾き始めました。
八野さんが歌い始めたのは『太陽の雫』でした。

前に向かって進んでいく事を、そっと後押しする ファイトソングだと、私は感じました。
「暮らしていこう 時を止めずに」
柔らかに歌う八野さんの声と岡部さんのギターに、またも涙が止まりませんでした。


27年経った、今年2022年2月に、自宅が火災になりました。
八野さんからの絵葉書、ラジオを録音して貰ったカセット、ムクドリの会の会報、ヒストリーブック、b-flowerの歌詞を書いていたノート…etc…全て燃えてしまいました。
その頃の心境は、8月に記事にしています。↓

そして、再び 夢の様な事が起きました。
八野さんから『太陽の雫』のカセットテープが届きました…。

詳しい内容は、2022/5/10の Instagramに書いていますので ↓ 読んで頂ければ嬉しいです。


私は b-flower に 八野英史さんに 出逢えて
とても幸運だな、と思いながら
今、生きています…



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