雨と靴のはなし 2023.6.29

 雨である。梅雨である。今日の私は天才だったので、普段より早く家を出ることに成功し、普段なら時間がないために一駅電車に課金してしまうところを歩くことにも成功した。その結果、私はコメダでのモーニングと、ついでにびしょびしょになった靴を手に入れた。

 幼稚園時代、靴が濡れると先生はビニール袋をくれた。濡れた靴下を脱いで、ビニール袋を靴下がわりにして靴を履くのである。私はそれがとても嫌いだった。だって気持ちが悪い。なんだよあの感触……。それなら濡れたままの方がよっぽどマシなのである。ビニール袋は靴下にはなりえない。

 そんな感覚のまま成長し、今に至る。今はもう靴が濡れてもビニール袋を渡されることはない。存分にびしょびしょのまま耐えれば良い。
 そんなわけでかれこれ2時間以上濡れた靴と戦っている。不思議なことに、左足はびしょびしょの極みにあるのに、右足は一切濡れていない。からっと乾いた、家を出る前の状態である。どうしてこうなってしまったのか、とんと検討がつかぬ。この左右差、両足がびしょびしょな状態より気持ち悪いかもしれない。

 果たして帰るまでにこの左足は乾くだろうか。乾いたとして、帰りは無事乾いたまま家にたどり着けるだろうか。今のところ帰宅時間はちょうど雨の予報だ。

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