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海辺のカフェにて

車で5分のカフェにて、エドワード・ゴーリーを読みながら次女と休憩。
 
大好きなゴーリー。シュールなゴーリー。
こんなミニ絵本セットがあるなんて知らなかった。
 
 
私はこのところ、家での仕事を余儀なくされている。
ずっと机に向かっていたからホッとできるひととき。
 
世界中が、閉じられた本のようになっている今。
高校生の次女には、思いがけずやってきた長い春休みだ。
考える時間がたっぷりあるせいか
行動範囲はけして広くないにもかかわらず、いろいろと自分の世界を広げている。
 
ちょっと行った先で見たもの、読んだ本、誰かとの出会いや会話。
  
「そっか、こういう考え方もあるかも」とか
「これからはこういうコンセプトで生きていこうかな」とか、
「ああ私ってやっぱりこういうのが好きなんだ」とか、話を聴いていると面白い。
 
制限された暮らしであるがゆえに、
いつもより少ないものの中にハッキリ見えてくるものがあったりする。
 
若くて自由とは、無限な精神空間だけど、
無限だと分からなくなることもあるってことなんだね。無限すぎて。
 
 
私にはその無限が羨ましくもあるけれど。
 
どっちに転んだって、どんな失敗をしたと思ったって、
全てをその後の糧にできる時間が、たぶん、たっぷりあるということだもの。
先のことはわからないにしても、今怖いものなんて何もないじゃないか。
 
 
手に取った『うろんな客』のページをめくりながら、
「なんだかよくわかンない本だなぁ」
と呟く彼女の横顔に、だから面白いのよ、と、笑顔で返してみる。
 


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