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写真と私

愛猫の朝。
 
 
写真を撮る時。
何かを表現するために撮るのじゃなくて、その瞬間の私だけの時間を宝物入れにしまい込む気持ちで、周りの小さな風景と向き合います。
 
瞬間の「あ、今」って思う感覚の、私だけの匂いを大切に。
 
 
わざわざ目的を持って撮りに行って、自分の好きな写真が撮れたことがないのは、「あ、今」の時間を日常に求めているせい。

だから、私の写真は万人を惹きつけるような「売れる」ものじゃないことこそが、ひっそりと個人的な良さを持っているはず、と。
そんなことさえも、私しか知らなくていい、と思えるような。
 
文章でも写真でも、私の表現するものはひっそり静かでありたいのです。
そうして初めて、時間を超えて匂いもし、音も聴こえてくるのです。
 
 
個展をするときは、同じように撮った一枚を、「あ、」と心にとめてくれる人が一人でもいたら、それはきっと写真ではない何かを共有できる瞬間で、写真展をしている者としては大きな矛盾だけれど、とてつもなく幸せなこと。
 
写真は目に見える結果だけれど、本当に残したいものは、その瞬間の見えない部分だと思っているからかもしれません。
 
 
オファーを受けて、もうすぐまた写真展を企画しようと思っています。
売れるものじゃないけれども、販売も予定。
今住むこの地での、最後の展覧会になりそうです。
 


 

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