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コンサート
何年か前の暮の話。コンサートいや独りなのでリサイタルか?まあライブだな、に行った。
昔々、クラスの友人が「これ聞いてみろ」と言うので、そのカセットテープをウォークマンにセットして小さなヘッドフォンで聞いたのが出会いだった。ヘンテコな歌詞、不思議なリズム、甘いメロディ、なんとも独特な声で、変な曲だなぁと言う印象だった。でもそういうのが気になった。少しして人気小説家の単行本の表紙の絵を描いてるのを知った。なんだか眠たい感じで、線が太くて、立体主義ぽくもあって変な絵だなぁと思った。やっぱりそういうのが好きだった。
レコードがCDになった頃。それまではクラスの友人から借りていたカセットテープ(未だに返してないかも)を何度も聞いていたのだけれど、ある日仕事で立ち寄った大きな街の有名なレコード屋さんに並んでいたCDアルバムを全部(3枚だけど)購入した。地元のお店には全然なかったので正直に嬉しかった。
インターネットで何でも検索出来るようになって、絵本作家してたり、テレビのナレーションなんかしているのを知った。自分の仕事柄いつか会えるかもと思っていたけどそんな機会はなくて、初めて本人を見たのは東京のライブハウスと言うより広めのカフェといった会場だった。当日は激しい雨で小さなビニール傘をさして行った。実は旅の疲れもあったのか、その日のライブのことはあんまり覚えていないのだけれど、アンコールで「何でもリクエストして下さい」って言うのに誰も声を出さないので「みんな俺のこと知らないだろ」って~うけた。
それから5年経って出たアルバムは、なんと24年振りと言うね。
そしてsnsでのコミュニケーションが当たり前になった。このライブもオフラインでも知り合いだけどsnsで繋がっているオトモダチの投稿で知った。車で3時間の古い倉庫が会場。ギター×1、ベース×1、アンプとモニタースピーカー、それからボーカル用のマイク1本が高さ90センチくらいの本当に小さなステージに乗っている。照明はレールに吊るされた60wくらいのライトが4台。それで本当に全部。彼は時間を10分ほど過た頃に突然現れてステージによじ登った。ギターを肩にかけて「いつもこの曲からなので」と短い前奏の後、体を震わせながら歌いだした。
おとなしい少年だった俺は、生意気なアンちゃんになり、変なオッサンになった。最近は喧しいジジイと言われる日も遠くないのかなぁと思っている。自由に生きてきたとも思う・・・色々、色々ね。
懐かしい第一部と新しい(と言っても4年前の)アルバムからの第二部。2時間程のステージ。彼は「40年なんてあっという間だからね」と言ってステージを降りて行った。
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